『カラスの教科書』が教えてくれること
こんにちは、早稲田哲学カフェ、みっちゃんです。
今回も鳥関連のお話となります。
カラスについて、みなさんはどのようなことを考えますか?
黒くて怖い、襲ってきそう、うるさい、ゴミをあさる嫌なやつ……。
ちょうど今日帰宅するとき、カラスがあさったのではないかと思われる残骸が道端にありました……。
多くの方がカラスに対して負の感情を持っているのではないでしょうか。
そこで紹介したいのが、『カラスの教科書』です。
「教科書」とありますが、かたっくるしいものではありません。
表紙のカラスがものすごく愛らしく描かれています。
「いやいや、そんなのただのイラストだよ」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、中を読んでいくと、カラスに対する意識が変わっていきます。
この本はカラスの生態を研究すべく、カラスの観察をひたすら続けてきた松原先生が書かれていて、先生とカラスとのやりとりがまるで人間のやりとりかのように綴られています。
これを読むと、カラスの意外な側面をたくさん知ることになります。
たとえば、かしこいカラスが営巣にさまざまな道具を持ってくることはよく知られていますが、ガムテープのロールを巣に持ってきて、使い方がわからなかったのかすぐ持ち去ってしまうといったかわいらしい場面も紹介されています。
後ろのほうには、Q&Aコーナーもあります。たとえば、次のようなもの。
あ……例がよくなかったですかね。
ちゃんと答えているものもありますよ。
さて、私はこの本がたんにカラスを知るためだけのものではないと思っています。
「身の回りのことでも、実はそんなに知らないことが多いんだよ」ということを教えてくれる本だと思います。
カラスはだれしも見たことのある鳥でしょう。
しかし、その黒い姿やゴミをあさるという性質を知ると、どうしてもカラスに対して負のイメージを押し付けてしまいます。
しかし『カラスの教科書』は、そうではないということを教えてくれます。
もっと周りのことをよく見てみなさい、そうするとこれまでの見方がガラッと変わるかもしれませんよ。
そういったある種の人生訓さえも教えてくれるような、そんな気が私はするのです。