金魚はコロナ禍の癒やし
ひょんなことから金魚を飼うことになって3ヶ月。2020年末には、私は金魚(というよりウチのコたち)が大好きになっていた。
ところで私は海外旅行が好きで、コロナ禍前の数年は、年1回は必ず出かけていた。とくに冬は比較的安いから、この時期はいつもならどこかに出かけている。でもこんなことになってしまって、どこにも行けなくて、ほんとうに残念。
そんなコロナ禍に飼い始めた金魚。
初心者の私、お迎えして初めの数日は、心配で心配で、仕事どころじゃなかった。
でも主の心配をよそに、金魚たちは順調に成長した。よく食べ、よく泳ぐ。
水換えだの、エサやりだの、観察だの、金魚に関していろいろやることがあって、私は忙しかった。世の中はピリピリしてたけど、金魚と向き合う間は、そういうのから逃れられた。目の前のかわいこちゃんたちが健康な日々を送ること、そのために私ができることばかり考えていた。
私は旅に出ることをすっかり忘れて、金魚の世話に夢中だった。目の前をひらひら泳ぐ3匹を見ながら2020年の年越しをして、2021年の観客が誰もいないウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを金魚と一緒にテレビで見た。
ステイホーム。ひとりで家にいるのはもともと嫌いではなかったけれど、金魚と一緒の日々は、私にとってほんとうに新鮮だったし、それはそれは豊かな日々になった。
コロナ禍でストレスフルな日常において、私を癒してくれたのは間違いなく、この金魚ちゃんたちだ。
疲れて帰ってきた時に、私を待っていてくれる存在。(いや、エサが欲しいだけ…)
パクパク、モグモグの金魚がかわいくて、それを見てると私はずいぶん気分良くなれた。(いや、ただ食べてるだけ…)
と、と、とにかく、ウチの子たちが健康で、元気に泳ぎ回っている姿に癒されたし、励まされた。それくらい、私にとって、金魚が大事な存在になっていたのだ。家族になった、と言っていい。
ふーちゃん、せーちゃん、きーちゃん。
ウチに来てくれて、ほんとうにありがとう。