スマホからいかにして私たち自身を守るか
「スマホ脳」という数年前に話題となった本を最近読んでみたのですが非常に面白かったです。スマホが脳に悪影響であるというのは既存の知識でしたが、その側面を旧石器の人類から遡って考えるという視点が中心で興味深く、私たちの脳がどれだけ環境に適応していないかということを実感しました。スマホに依存するのは当たり前の現象です。ドーパミン放出のメカニズムを利用し、SNSやゲームアプリなど、脳にとって心地の良い状態を簡単に作り出せてしまいます。実際僕自身もかつてはスマホの奴隷であり、目の前に用意された快楽を前にしてその衝動を抑えられず、罪悪感に苛まれる毎日。自分に嫌気がさす中、この本に出会いました。自分にとって唯一の救いだったのは、自分が日々行なっている運動が脳を刺激し、機能低下を防いでくれるということでした。スマホに限らず、社会は複雑さを増し、人間のストレスレベルは上がっています。そんな状況でも「自分」を取り戻し、ストレッサーから「自分」を守る自己免疫力が求められます。体が本当に欲しているのは、ドーパミンを通した一時的な「快楽」ではなく、健康な身体と真の幸福を追求する姿勢です。スマホ脳というのはもはや中毒であり、麻薬や覚醒剤と同等のレベルです。私たちの体と心は人類の祖先の時代にありながら、目まぐるしく移り変わる時間に適応していくことも必要です。しかし、私たちは本当に満たされてはいません。スマホによる心の病が社会問題となった今だからこそ、いかにして私たち自信を守るのかをうちなる自分に問いかけていくことが重要だと感じました。