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さらば「稀勢の里」最後に語る土俵人生秘話 第二弾
第一弾の続きを投稿します。
平成22年 “63連勝”白鵬を止めた日
平成22年九州場所。この場所の最大の注目は横綱・白鵬の連勝記録でした。この場所を前頭筆頭で迎えていた稀勢の里。白鵬との対戦は2日目。立ち合いから激しい相撲の中で稀勢の里は攻め続け、白鵬を寄り切りで下します。連勝記録を“63”で止めた、歴史の残る一番でした。
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「(白鵬戦の)あの朝も、いつものように親方から指導されたんですけど、最後に『勝ってもガッツポーズするなよ』って言われたんですよね。それで『自分勝てるのかな。勝つんだな、今日は』という気持ちになって。言葉のマジックじゃないですけど、いつも以上に気持ちよく相撲をとれたことは覚えています。」
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「(白鵬という)すごく強い横綱がいたから、その連勝を阻止できたわけだし価値もあった。自分の優勝は少なかったですけど、本当に強い横綱がいた時代に2度優勝したことを誇りに思ってね、これから生きていきたいと思いますね。」
マンデーブルー
平成24年。新入幕から7年余りをかけて新大関に。白鵬、日馬富士、鶴竜というモンゴル出身横綱たちに立ち向かっていく稀勢の里には「綱取り」への期待が高まっていきました。
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しかし、その度に壁に跳ね返される日々がここから丸4年近く続きます。稀勢の里にとってこの「横綱への道」は長く遠い、そして苦しみをもたらすものでした。
「いやぁ、遠かったです。本当に苦しかったですね。なかなか周囲の声に応えられないのは本当に辛くてね。“マンデーブルー”というんですかね、千秋楽翌日の月曜日はもう最悪ですよね。『また優勝できなかった。またか。』って。自分には何が足りなかったんだろうね。詰めの甘さもありますし、心の弱さ、そういう部分はあったのかな。」
長い足踏みが続く稀勢の里。そこからもう一段駆け上がるきっかけとなったのは、ひとりの先輩横綱からの言葉でした。
横綱・日馬富士の言葉
「横綱昇進の4か月くらい前かな。日馬富士に食事に誘われたんです。現役の横綱に誘われるなんてほとんどないことなんですけど、『どうしても伝えたいことがあるから来てくれ』って言われて。その時に言われたんです。『お前は全然相撲のことを考えていない。本当に横綱になるんだったら、24時間相撲のことを、相撲の神様のことをしっかり考えないと昇進はできないんだ』って。そんなことを夜まで話しました。僕も確かにそんなに強烈に相撲のことを考えたことなかったなと。そこでこうグッと、何か気持ちが変わりました。」
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平成29年初場所。稀勢の里、初優勝。千秋楽には大きな壁の一人、横綱・白鵬にも勝利し、まさに初優勝と横綱昇進の「両手に花」。
そして、続く新横綱の場所は稀勢の里の土俵人生のハイライトといえるものになりました。
以上で第二弾な紹介を終わります。
続きは第三弾で投稿します。