ボケてしまってもおじいちゃん
#創作大賞2023
じいちゃんにとって私は、長い人生の後半のほんの数分にしか登場していない存在かもしれない。
けれども、私にとってじいちゃんは、産まれたときから、まだ私自身の記憶のない時から私のことを知ってる、大切な大切な、私を好きでいてくれる家族だ。
米屋の長男に生まれ、朝からチョコレートを召し上がるほどのボンボンだったじいちゃん、サハリンにも捕虜で行って労働し、当時の話をきくと、決まって《立ちションすると、おしっこが出るそばから凍っていった。足で折りながらおしっこし