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外国人を雇用するための手続きと、注意点
グローバル化が進み、国内でも人手不足が続く中で、外国人労働者を雇う機会が増えてきましたね。
でも、いざ外国人の方を採用しよう!と考えても、「何から始めたらいいんだろう?」と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、外国人の方を雇用する際の確認事項や申請手続き、気をつけるべきポイントについて、分かりやすくご説明します。
「これならできそう!」と思っていただけたら嬉しいです、どうぞ最後までお付き合いください。
在留資格の確認
日本で外国人の方を雇うときには、最初に「在留資格」を確認することがとても大切です。「在留資格」とは、日本でどのような活動を行えるのかを定めた資格のことで、出入国在留管理庁が管理しています。
外国人の方が日本でお仕事をするためには、働く内容に合った在留資格を持っていなければいけません。
その人が持っている資格がどういった内容を許可しているのか、しっかり確認してみましょう。
確認のポイント
1.在留資格の種類
日本には29種類の在留資格があります。そのうち19種類で働くことを認めています。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」は、ITエンジニアや通訳、デザイナーなど、知識や技術を必要とするお仕事が対象です。その他にも、「技能」では熟練した技能が求められるお仕事で、料理人などが対象となり、「介護」では介護福祉士が介護などに従事することができます。
2.在留カードの確認
在留カードは、外国人の方が持っている身分証明書のようなものです。
カードには「就労制限の有無」や「在留期限」など、大事な情報が記載されていますので、雇用前にきちんと確認しましょう。
3.就労の可否と資格外活動の有無
「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ方を雇う場合には、「資格外活動許可」を確認する必要があります。
この許可を取得している方は、週28時間以内でアルバイトが認められています。雇用の際には、許可の有無や働ける時間についても必ずチェックしましょう。
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業務に応じた在留資格の選定
在留資格の種類によって、外国人の方が行える業務内容は異なります。
また、一部の資格では学歴や職歴が条件となる場合もあります。
雇用予定の業務に合った資格かどうかを、慎重に確認してください。
技術・人文知識・国際業務:
大学などで学んだ知識や経験を活かせるお仕事。
例)通訳、デザイナー、ITエンジニアなど。
企業内転勤
外国にある事業所から日本の事業所へ転勤する場合。仕事内容は「技術・人文知識・国際業務」と同じ。
技能:
産業上の特殊分野に属する、熟練した技能を活かすお仕事。
例)外国料理の調理師、航空機の操縦者、スポーツ指導者など。
介護:
介護福祉士の資格を持つ方が、介護業務に従事する。
特定技能:
【1号】特定産業分野で、ある程度の知識や経験が必要なお仕事。
【2号】特定産業分野で、より高度な熟練技能が求められるお仕事。
例)建設業、介護業、外食業、宿泊業など。
技能実習:
単純作業では習得できない技能を、実習を通じて学び取るための活動です。
雇用契約を結ぶときに大切なポイント
在留資格を確認・選定した後は、雇用契約を結ぶことが必要です。
この契約は、外国人の方が安心して働ける環境を整えるため、そして雇用主がトラブルを未然に防ぐためにも、とても大切な役割を果たします。
1.業務内容は在留資格の範囲内で
外国人の方にお願いするお仕事は、必ずその方が持つ在留資格で認められている内容に限る必要があります。資格の範囲を超えた業務を指示してしまうと、資格が取り消されたり、不法就労に繋がる恐れがあります。
そのため、雇用契約書には具体的な業務内容を詳しく記載してください。もし研修がある場合は、その研修内容や期間も明確にしておくと安心です。
2.契約書は母国語で作成するのがおすすめ
雇用契約は口約束ではなく、書面で交わすことが基本です。
さらに、契約書は可能であれば外国人労働者の方の母国語で作成することをおすすめします。これにより、「聞いていなかった」「知らなかった」というトラブルを防ぐことができます。
もし母国語での作成が難しい場合は、厚生労働省が提供している八か国語対応の労働条件通知書のひな形を利用するのも一つの方法です。
3.在留資格が取得できなかった場合の対応を明記する
在留資格が取得できなかった場合のリスクを回避するために、「在留資格を取得した際に雇用契約が発効する」という文章を入れた停止条件付きの雇用契約を締結すると安心です。
契約書には、この内容を外国人の方にも分かりやすい言葉で記載し、事前にしっかり説明しておきましょう。
在留資格申請手続きについて
労働契約が無事に結べたら、次はいよいよ在留資格の申請手続きです。
この手続きは、出入国在留管理庁に申請を行います。
申請には「在留資格認定証明書交付申請」や「在留資格変更許可申請」などがあり、選ぶ手続きや提出する書類は、在留資格や雇用する状況によって異なります。
日本に呼び寄せる場合の主な流れ
1.申請書類の準備
まずは必要な書類をすべて揃えます。
2.出入国在留管理庁への提出
申請書類を、所轄の地方出入国在留管理局に提出します。不備や不足があると、審査が遅れてしまう可能性があるので、事前にしっかり確認することが大切です。
3.審査・交付
出入国在留管理庁が審査を行い、在留資格が認められると「在留資格認定証明書」が交付されます。この証明書が、外国人労働者が日本で働くための第一歩となります。
4.海外の日本大使館で申請
外国人本人が在外日本公館(日本大使館など)で「在留資格認定証明書」を提示し、ビザを申請して交付されるのを待ちます。
5.来日
日本に入国する際、空港でビザを提示すると、パスポートに上陸許可の証印が押されます。この時、在留資格とその期限が明記されます。
審査期間
通常、申請から許可までには1~3ヶ月程度かかります。ただし、繁忙期や申請内容が複雑な場合は、さらに時間がかかることがあります。
スムーズに業務を開始できるよう、早めに申請手続きを始めましょう。
雇用後の届出義務
外国人を雇用した際は、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」を行う必要があります。この届出は、外国人を雇った時や退職した時に、氏名、在留資格、雇い入れ先の情報などを報告するものです。
届出の方法や期限は、外国人労働者が雇用保険の被保険者であるかどうかによって異なります。具体的な手続きについては、厚生労働省やハローワークの案内を確認してみてください。
注意してほしいポイント
1.不法就労を防ぐこと
不法就労とは、在留資格で許可されていないお仕事をさせたり、在留期限が切れたまま働いてしまうことを指します。
これが発覚すると、外国人労働者の方は退去を命じられる可能性があり、雇用主も「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります。
不法就労助長罪とは?
不法就労となる外国人を雇用したり、不法就労を助長したりする行為に対して科される刑罰です。この罪に問われた場合、企業や事業主には最大で3年以下の懲役または300万円以下の罰金、場合によってはその両方が科せられる可能性があります。
こうしたリスクを防ぐためにも、在留カードを定期的に確認して、在留期限を把握しておきましょう。また、在留資格で許可されている業務内容や、資格外活動許可の有無もチェックすることが大切です。
2.公平な労働条件を守ること
外国人労働者の方にも、日本人と同じように公平な労働条件を提供することが求められています。外国人だからといって不当な条件を課すことは、日本の法律で禁じられています。
●日本人と同じ賃金を支払う
同じ仕事をしている場合は、賃金も日本人と同じ水準にする必要があります。不当に低い賃金で働かせると、在留資格の更新が認められない場合がありますので注意してください。
また、労働条件の不平等が指摘された場合、これまで支払っていなかった分の賃金を補償する必要が出てくる場合があります。
●労働条件のルールを守る
外国人労働者の方にも、日本人と同じように労働基準法、労働契約法などが適用されます。
賃金の支払い、労働時間、休暇、福利厚生など、法的に定められた基準を守ることで、安心して働ける環境を作りましょう。
能力や勤務実績に応じて条件を変える場合には、不公平感が生まれないよう配慮が必要です。
外国人労働者の方が安心して働ける環境を整えることは、企業にとっても大きなメリットになります。
具体的な手続きやサポートについて相談したい場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください!