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世代別JRA G1勝利数ランキング(古馬)

【2024/12/1日更新】
こんにちは。mokomoko競馬です。

 今回は世代考察企画第一弾として、世代別JRA G1勝利数ランキングをやっていきます。


はじめに

 3歳クラシックは各世代の頂点を決めるために存在しますが、古馬戦では別世代の馬たちが戦うこととなります。日本では競争馬の現役寿命が比較的長いため盛り上がるカテゴリーです。23年現在、古馬GⅠは14タイトル存在し、これらのレースを多く勝利した世代は層が厚い世代だといえるでしょう。
 今回は(20)01世代以降の世代の勝利数をランキング形式で紹介します。
なお、GⅠ勝ち数の多い90年代の世代も紹介します。

 21世紀以降に新設されたGⅠがあり、前の世代ほど不利となるので指標となる勝率(〈勝ちGⅠ数〉/〈3~6歳夏までの古馬GⅠ数〉)も載せておきます。
勝ち数が同じ場合は勝率が高い世代を上位とします

※海外調教馬が日本のG1を勝った場合は世代の勝利としてカウントしていません。


12位(13勝)

19世代
・勝率 (29.5%)
・主な馬
 グランアレグリア(5勝)、クロノジェネシス(3勝)、
 クリソベリル(1勝)、ダノンキングリー(1勝)など

 牝馬クラシックを分け合った3頭がそれぞれの道で活躍した世代です。グランアレグリアやアドマイヤマーズがいるのでマイルでは全世代でも屈指の実力を誇ります。

11位(13勝)

04世代
勝率 (32.5%)
・主な馬
 ダイワメジャー(4勝)、スイープトウショウ(2勝)、
 カンパニー(2勝)、ハーツクライ(1勝)など

 G1勝利数も多いですが、種牡馬として活躍した馬が多いという特徴がある世代です。

10位(13勝)

98世代
・勝率 (33.3%)
・主な馬
 スペシャルウィーク(3勝)、グラスワンダー(3勝)、
 エアジハード(2勝)、ウイングアロー(2勝)など

 〇外のエルコンドルパサー、グラスワンダーと内国産のスペシャルウィークが賑わせた人気のある世代です。中長距離以外のカテゴリーでも強い馬が揃っています。

9位(13勝)

97世代
・勝率 (34.2%)
・主な馬
 タイキシャトル(4勝)、メジロドーベル(2勝)、
 ブラックホーク(2勝)、サイレンススズカ(1勝)など 

 〇外の全盛期とサンデー時代の到来がクロスした世代で、この世代辺りから日本馬が海外で通用するようになっていきます。98世代に負けず劣らず人気のある世代です。

8位(14勝)

06世代
・勝率 (34.1%)
・主な馬
 メイショウサムソン(2勝)、アドマイヤムーン(2勝)、
 キンシャサノキセキ(2勝)、マツリダゴッホ(1勝)など

 派手さはないですが、隙のないメンバーの世代です。同世代で天皇賞・春を3連覇しています。しかしダートではあまり勝てませんでした。

7位(15勝)

11世代
・勝率 (36.6%)
・タイトル
 有馬記念×2、宝塚記念、安田記念×2、スプリンターズS×3、
 マイルSC×3、ヴィクトリアM、チャンピオンズC、フェブラリーS
・主な馬
 ロードカナロア(4勝)、オルフェーヴル(3勝)、
 トーセンラー(1勝)、サダムパテック(1勝)など

 オルフェーヴル、ロードカナロアの2強とマイルGⅠ1勝馬が多数いる世代。オルフェ以外は古馬王道未勝利という極端な成績で、天皇賞とは無縁でした。別の馬でマイルCSを3連覇しているのも面白い世代です。

6位(15勝)

22世代
勝率 (41.6%)
・タイトル
 ジャパンC×2、有馬記念×2、天皇賞・秋×3、天皇賞・春、宝塚記念×2、マイルCS×2、スプリンターズS、高松宮記念、エリザベス女王杯

・主な馬
イクイノックス(5勝)、ドウデュース(3勝)、
ブローザホーン(1勝)、ジャスティンパレス(1勝)

 特に混合の中距離が強い世代で、天皇賞・秋を3連覇、有馬記念・宝塚記念・ジャパンCを連覇しています。マイルやスプリントでもG1馬がいますがJRAダートG1は未勝利です。上は強い世代が多く中距離以外では苦戦も見られましたが、下の世代からは勝ち星を吸い取りました。

5位(16勝)

02世代
・勝率 (42.1%)
・タイトル
 有馬記念×2、天皇賞・秋×2、天皇賞・春×2、宝塚記念、安田記念、
 スプリンターズS、マイルCS×2、高松宮記念×2、エリザベス女王杯、
 フェブラリーS×2
・主な馬
 シンボリクリスエス(4勝)、デュランダル(3勝)、
 ヒシミラクル(2勝)、ゴールドアリュール(1勝)など

 全体的にかなりバランスのいい勝ち鞍の世代です。中長距離とマイル・スプリント両方で実力馬がそろっています。しかし、国際招待競走の2レースはなぜか勝てませんでした。

4位(18勝)

21世代
・勝率(40.9%)
・有馬記念、天皇賞・秋、天皇賞・春×2、宝塚記念、大阪杯、
安田記念×2、スプリンダーズS、マイルCS、ヴィクトリアM×3、エリザベス女王杯、チャンピオンズC×2、フェブラリーS×2
・主な馬
ソングライン(3勝)、レモンポップ(3勝)、
エフフォーリア(2勝)、タイトルホルダー(2勝)など

 牡馬クラシックを勝利した3頭がすべて古馬GⅠを勝利した世代。ヴィクトリアM3連覇などマイルも層が厚い世代です。また、6歳になってからフェブラリーS、天皇賞・春、ヴィクトリアM、マイルCS、チャンピオンズCと5勝した非常に珍しい特徴があります。ダートは上の世代がいる間は芽が出ませんでしたが、レモンポップの登場でGⅠを制覇しました。

3位(18勝)

07世代
・勝率 (43.9%)
・タイトル
 ジャパンC×2、有馬記念×2、天皇賞・秋、天皇賞・春、宝塚記念、
 安田記念×3、スプリンターズS×3、高松宮記念、ヴィクトリアM×2、
 エリザベス女王杯×2
・主な馬
 ウオッカ(5勝)、ダイワスカーレット(2勝)、
ドリームジャーニー(2勝)、ローレルゲレイロ(2勝)など

 一般的にウオダス世代や牝馬最強世代(初代)と言われている世代です。実際、18勝中11勝が牝馬によるものです。牡馬もしっかり勝つところは勝っていて、中長距離のタイトルはすべて持っています。芝では一つ下の08世代の勝ち星を吸い取りましたが、逆にダートでは勝ち星を取られてしまいました。

2位(19勝)

12世代
・勝率 (46.3%)
・タイトル
 ジャパンC×2、有馬記念×2、天皇賞・秋×2、天皇賞・春×3、
 宝塚記念×2、安田記念、スプリンターズS、ヴィクトリアM×4、
 チャンピオンズC×2
・主な馬
 ゴールドシップ(4勝)、ジェンティルドンナ(3勝)、
 ストレイトガール(3勝)、ジャスタウェイ(2勝)など

 古馬王道レースをそれぞれ2勝以上している驚異の世代でオルフェが海外遠征している時は、他の世代では勢いを止めることができませんでした。  
 牝馬三冠馬、グランプリ3勝馬、レーティング世界一位、天皇賞・春連覇馬とメンバーも濃いです。ヴィクトリアM連覇馬が2頭いるという意味不明な成績を残す一方、古馬混合マイルや短距離では強すぎる上の世代に蹂躙されたためややタイトルが少ないです。なおダートはホッコータルマエがいるので交流を含めても勝ちまくっています。

1位(22勝)

18世代
・勝率 (50.0%)
・タイトル
 ジャパンC×2、有馬記念、天皇賞・秋×2、天皇賞・春×2、大阪杯、
 安田記念、スプリンターズS×2、マイルCS×2、高松宮記念×3、
 ヴィクトリアM×2、エリザベス女王杯×2、チャンピオンズC×2
・主な馬
 アーモンドアイ(5勝)、ラッキーライラック(3勝)、
 フィエールマン(2勝)、インディチャンプ(2勝)など

 全ての条件において活躍馬がいる異次元の世代です。主要な3つの根幹距離で活躍したアーモンドアイを筆頭に長距離にフィエールマン、マイルにインディチャンプ、牝馬戦にラッキーライラック、短距離にダノンスマッシュなど多数、ダートにルヴァンスレーヴやチュウワウィザードがいます。
 唯一勝てなかった宝塚記念は、前後にグランプリ激強牝馬がいたため運がなかったですが、それでもタイトル数は他の世代より頭一つ抜けています。なお、海外では香港ヴァーズ2勝のグローリーヴェイズなどがGⅠ6勝をしており、ダートでは東京大賞典4連覇のオメガパフュームがいるので、交流GⅠの勝利数も上位です。

 その他、古すぎて整備されていない路線があるため単純比較できませんがオグリキャップなど活躍馬多数の88世代は12勝で勝率は52%と非常に高くなっています。

まとめ

 世代別JRA G1勝利数ランキングを見ていきました。上位には古馬GⅠ4勝以上の名馬がいることが多いですね。また、1位と2位は勝利数や勝率が優秀で他の世代とは一線を画す層の厚さだといえるでしょう。
 しかし、今回の結果は世代の実力や特徴を測る一つの指標であって、世代の強さを決定づけるものではないと思うので、これからも別の角度から世代考察を行いたいと考えています。


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