レベルファイブのマップチームによるの世界観を描き方(個人的なまとめ)①
ほぼ下の記事本文の垂れ流しです
レベルファイブのアートチームから、マップアートを主に担当してきた梁井信之氏と、荒川政子氏による講演。
使用ソフトはPhotoshopやclip studio、illustratorなどのようだ
制作プロセス
レベルファイブのアートチームでは、
①まず資料を大量に収集することから始まる
②集めた資料をもとにアイデアを展開
③ラフイメージの制作に入る。
④清書+詳細な設定を施していく
集めた資料を元に一つのエリアに複数のアイデアスケッチを展開。幅広いイメージの意識が重要らしい。
資料の集め方→(お店、博物館など現地への取材、書籍、ネットの画像)
ラフの段階でコンセプトのテーマから生まれたアイデア、見せたいものを絞っていく。
細かいアイテム、家具などは別に書き分けられ、詳細な形でデザインされていく。
(ポスター、看板、植物、置物など)
レイトンシリーズ
架空の英国を中心とした古い西洋を舞台としていることから、“アンティーク”というキーワードを設けている。
アンティークからセピアカラーでの配色になり、セピアをベースに色彩を豊かにしていく。
一見すると落ち着いた雰囲気を感じさせる背景だが、主役のレイトンが活躍する“レイトン探偵社”前の風景では、あえて「探偵社の配色のみ」を緑、オレンジという補色を用いることで、探偵社の存在感が鮮やかに表現されている。つまりメインとなる建物以外の背景の色味は、落ち着いたもので統一して差別化させているのだ。
荒川氏の作画工程では、レイヤー分けをした線画を描いたのちに、カラーパレットを作成して色づけをしていく。その際には、きっちりとしたカラーマネジメントが重要になるという。
『レイトン』シリーズの背景を描く際のポイントとしては、「コントラストを意識した配色」が重要だと説明。全体が落ち着いた配色になるからこそ、そこに鮮やかさを際立たせる陰影や挿し色で、コントラストを描き出すのだ。
妖怪ウォッチシリーズ
梁井氏は“子どもオープンワールド”というコンセプトから、“箱庭”というキーワードを提示する。箱庭の世界をどのようにして描けばいいのだろうか?
その答えは、『広域から狭域』へと視点を狭めながら描いていくことだという。
『妖怪ウォッチ』シリーズの舞台となる“さくらニュータウン”は、実際に街全体を俯瞰できる広域のマップイラストが描かれている。
ジオラマのような広域図。 緻密に街の隅々まで描き込まれている。この広域図の時点で、マップの各エリアの繋がりまでわかる。
『妖怪ウォッチ』シリーズでは、さらに狭い部分まで描かれている……さらに狭域として、冷蔵庫の中や、車の下や田んぼのあぜまで背景を設定しているのだ。
ゲーム中では、こうした場所を覗き込んで妖怪を捜すため、こういった細部の“ミニチュア感”にこだわっているのだという。
このミニチュア感を描き出すために、梁井氏はさらなる工夫をしている。それは、家の内観を描く手法だ。なんと梁井氏は、実際に家の間取り図から描くのだというのだ。
家具もすべてひとつずつ立体的に三面図として描くことで、実際に室内に家具を配置していくのだというのだから驚きだ。
『妖怪ウォッチ』シリーズでは、こうした手法で広域から狭域へとフォーカスしながら、作中に登場するあらゆるスポットを描いている。
ポイントは、細部までこだわりぬいて設定すること。ゲームを遊んだ際にプレイヤーが細かい部分を見るだけでも楽しめるのではないかと考えた結果、生まれた手法だ。
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