COMPREHENSIVE

NHKのドラマで放映中の『舟を編む』
映画が話題になった時も観ていないし、原作も読んでいない。今回のドラマはどうやら主人公が映画とは違っているらしいと聞いて、原作を読んでみようと思っている。

辞書の紙のぬめり感という言葉が出た時、「あぁあの何とも言えない感じの事か…」と、昔使っていた英和辞書を思いだした。薄くてシャラシャラとめくれて、とても好きな感触だった。

中学の時、塾の先生から薦められて買ったのが旺文社の『COMPREHENSIVE』。とても分厚くて持ち歩きには大変だったが、それまで使っていた辞書とは違う紙質に大人の辞書というか、子供用じゃないんだと嬉しくなった。

当時、研究社の『英和中辞典』ユーザーが多かった気もするが、私は自分の辞書が最高!と愛着を持っていた。それこそボロボロになるまで、大学でも使っていた。

そして、あの厚みは昼寝の時の枕にも最適だった。そんな事をしても、辞書に書き込みとかアンダーラインもせず、そんな事をしてはいけないくらいの勢いだった。

高校のある日、クラスメイト(超優秀男子)が辞書を貸してと言うので、渡した。私の手元に返ってきた辞書のcomprehensiveの欄には「この辞書」と書き込まれていた。いや〜もう笑うしかなかった。嫌な気はせず、やってくれたわ〜という感じで笑った。

今はもう出版もされていないし、私の手元にも無い辞書であるが、英語を好きになって嫌いになった日々にいつも私の横に、頭の下にあった『COMPREHENSIVE』。紙質はもっと良い辞書があったのも分かっているが、ドラマのぬめり感を聞いて頭に浮かんだのは、やっぱり『COMPREHENSIVE』だった。


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