気軽さを失った外食
ダイエット生活が始まって初の日曜日。
長男を連れて近県のショッピングモールへ。
車で1時間ほどの道のり。子供にはお菓子を与えても、僕は水だけを飲みながら向かう。
まぁ、いつも通りだ。お菓子を食べられない苦しみは無い。
到着後、目的を果たし、食事をできる店を探す。
パスタ、サンドイッチ、寿司、天丼・・・炭水化物専門店ほど入りにくい。
さて、僕はダイエット食難民である。
子供も喜び、僕も食べられるもの・・・
見つけた!ステーキハウスだ。
赤身のステーキをたくさん食べるのは問題ないだろう。しかもサラダバー付き。100点の環境だ。
子供用のステーキセットと赤身ステーキ300グラムを豪快に注文。
ドレッシングを少量かけたサラダもたっぷりと食べる。サラダバーはコロナ禍の影響か、はたまたそれを利用した作戦か、一度だけの盛り切りスタイルだった。
つまり山盛り取っていいけどお代わりできないよってことだ。
コーンやポテサラは取らずに、サラダって感じのものだけを、たくさん取って食べる。
僕らの席はサラダバーのすぐ横で、多くのお客さんが僕らの目の前を、サラダを持って通り過ぎる。
盛り切りスタイルは、人をここまで卑しくさせるのか・・・
ハイハイ覚えたての赤ちゃんのようなスピードで、ゆっくりゆっくりと東京タワーのごとく積み上げたサラダを運ぶ若いママ。
その後も創意工夫を凝らした盛り方をされた山盛りサラダが目の前を通過する。
みんな少しでも得をしたいんだな、これをするために来たのかな、人間の心の根幹を覗かしていただきました。
さて、そうこうしているうちにステーキ登場。
いやー――――脂身だらけ。笑
最小限だけ肉と一緒に食べたが、100グラム分くらいの脂身は残してきた。スジもすごかった。笑
すっかり食べ終えたわけだが、もちろんライスは食べてないし、頼みのステーキは注文したグラム数とは程遠い量しか可食部が無かったわけだ。サラダバーも1度しか盛れずに不発。
なんか物足りないなぁと思って店内を見まわしていると、食事をしているご夫婦に目が留まる。
50代くらいか。奥さんはすでに食べ終えてスマホに夢中。会話も無し。しかし旦那さんの前にはまだまだ十分な量の肉がある。その横にはサラダバーで取ったであろうブロッコリーがお皿にてんこ盛り。さらに店員が大盛ライスのお代わりを運んできた。
噓でしょ?あの細さであんなに食うの?
僕もあんな風になりたい。
でも、妻に一切興味を持たれていない感じは嫌だ。
冷静さと羨望の狭間で僕は心とお腹を落ち着かせる。
さぁ、飴玉ひとつ舐めずに家まで帰ろう。
妻よ!今に見てろよ!