11.【小説】 「走れエイト!」
◉ 「走れエイト!」11
空手道場のオープンの日になった。
開会式やオープンセレモニーみたいな
ものは無かったが
衛登も直樹も
ワクワク ドキドキしていた。
もちろん雅人も
オーナーとして来ていた。
衛登や直樹が営業して集めた6人も
しっかり整列していた。
衛登が号令をかけて
正座してから
やる前に一言 話をした。
「今日から始めますが
よろしくお願いします。
分からないと思いますので
同じようにマネしてやってください。」
衛登の言葉に直樹も正座しながら
聞き漏らさないように聞いていた。
雅人もこれを見て思っていた。
《まあ初日だからこんなもんか!》
雅人は人数の少なさに
すこしガッカリしたようだった。
「では正面を向いて
私が黙祷(もくとう)と言います。
黙祷(もくとう)とは
言葉を発することなく
心の中で祈りを捧げる行為です。
ですから
黙って目を閉じてください。
何秒かしたら【やめ!】と
言いますので目を開けてください。
そしたら私が1回転して皆さんと
向き合いますので
【お願いします】
と言って頭を下げてください。」
衛登は途切れる事無く話をした。
〜つづく〜