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5.【小説】 「走れエイト!」


  ◉ 「走れエイト!」5

衛登はダメ元で言ってみた。

「俺 出来るなら
 空手の道場をやってみたいんだ。」

ダメ元だったが
それなりの決意はあった。

何かを売るかと思っていたが
衛登は教える方を選んだ。

ただ直樹は
同級生だったために知っていた。

衛登が小学生の頃から
空手をやっていたことを
違う同級生に聞いていたのだ。

「そう来たか!」

直樹は軽く頷いた。

「俺 小さい頃から
 なぜか武道が好きで
 空手をずっと やってたんだ。」

さらに衛登が続けた。

「いつか空手道場を資金さえあれば
 やってみたいって考えていたんだ。」

「いいよ いいじゃないか!

 空手道場やろうよ。
 俺も空手やってみたいよ。」

直樹も大賛成だった。

店舗の改築費やいろいろな経費は
雅人が全部 
負担してくれると言うので

二人で話し合った結果
空手道場をやってみることにした。

直樹の話によると 

衛登はかなり運動神経が
良かったそうで

武道も好きだったが
スポーツはどれも大得意だったそうだ。

そして直樹は
小学生の時の事を思った。

《よく高鉄棒で蹴上がりを
 片手でやって来たと
 俺に言っていたが

 誰にでも自慢できるほど
 自他ともに認める
 運動バカみたいだったな。》

「オイ衛登 師範はお前に任せたから
 しっかりやってくれよ。」

直樹はもう衛登に何から何まで
任せきりだった。

「お前だって二人しかいないから
 師範代だろ!
 お前こそしっかりやってくれよ。」

とにかく こんな調子だったから
衛登は
かなり心配だった。

〜つづく〜 
 

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