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shiroyukimin
118.【小説】 不倫の果てに
◉ 「不倫の果てに」118
もともと
《精神一到何事か成らざらん》という
ことわざを知ったのは
忠志が
《精神が何時か成らざるん》
と言ったのがきっかけだった。
《なんか違うような感じがする。》
もちろん
《精神が何時か成らざるん》なんて
ことわざはないが
知ったきっかけとしては
最高のきっかけだった。
《何でも知ることは良いことだ。》
ことわざの
《精神一到何事か成らざらん》は
精神を集中して行えば
必ず成し遂げられるということだから
自分には常に言い聞かせている。
《これは私のモットーだよ。》
バカにしてると言われそうだが
唯にとっては
ことわざを間違える忠志は
先生としては
ことわざを教えてくれる
最高の先生だったのだ。
《いろんなことわざを知った。》
唯にしてみれば
かけがえのない存在だった。
いや
かけがえのない先生
というべき人だった。
《何にしても特別だった。》
いろんな所を探し回ったけど
見つからないので
いつも行くラブホテルの
駐車場を念の為 探して見た。
唯の勘は当たっていた。
忠志の車を見つけたのだ。
〜つづく〜