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13.【小説】 「走れエイト!」


  ◉ 「走れエイト!」13

まず 雅人は出してあった水を飲んだ。

そして静かに話をしだした。

「話がちょっと長くなるけど
 我慢して聞いてくれ。

 この前 知らないオジサンが
 俺の事務所を訪ねてきた。

 誰から聞いたか知らないが
 『困っているなら俺を訪ねろ』
 と言われたらしい。

 俺は なんのようだと思って
 話を聞いて見ると 
 助けてほしいと言って
 今にも泣きそうな感じだった。」

そこで雅人は もう一度 水を飲んだ。

「そのオジサンが言うには
 商店街でラーメン屋をやっているが
 繁盛して儲かっていたらしいんだ。

 しかし そんな状況だったから
 ヤクザに目をつけられた。

 客がいない時にヤクザが3人で来て
 『守ってやるから
  みかじめ料をよこせ。』
 と言ってきたという。

 みかじめ料がかなりの高額だったので
 『そんな金はない!』
 と断ったら
 『どうなっても知らないよ。』
 と脅してきたそうだ。」

さらに もう一度 水を飲んだ。

「ヤクザは後日来るから考えとけ
 と言って帰ったみたいだけど
 どうしたらいいか分からなくて
 俺のところに
 駆け込んできたみたいなんだ。」

そして雅人は提案したみたいだ。

「俺が
 『警察に行ったほうがいい。』
 と言ったら
 『怖くて
  どうしたらいいか分からない』
 って言っていた。」

衛登は何も言わずに
雅人の話を黙って聞いていた。

〜つづく〜

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