4.【小説】 偏屈こぼれ話
◉ 乗馬
(前回の続き)
何流なのか
ぜんぜん聞かなかったし
何流なのか わからないが
とにかく
馬に乗っている姿が
きれいで 今すぐにでも
馬に乗りたかった。
《ぜひ 馬に乗りたいよ!》
馬に乗るまでは
最善の方法が取れなければ
次善の方法で始めろといって
足の速い馬のほうが
牛よりも乗り物としては
適していると思っていたが
馬がいなければ
見つかるまでは
牛にでも乗った方がよいかも
と思っていた。
《でも牛には乗ったことがないよな。》
乗馬は難しいので
まず牛で練習しろと言うが
牛になんて乗れない。
《まぁ 牛に乗れないなら
馬に乗るのはもっと
難しいっていうことだな。》
確かに乗馬は難しいのだった。
《ただ平然と学校に
乗ってくるのは唖然としたよ。》
大志は
ミーハーという事が分かったが
馬に乗ることは
たぶん他人事だと思っていた。
こういう大志も
なかなか人に言えない悩みを
持っているようだった。
〜つづく〜