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薔薇色の翼に乗って
気がつけばnoteを書き始めて数年経ちました。始めた頃は熱に浮かされたように思うままに記事を書いていましたが、ここのところ下書きが進まず、放置するとそのまま…というループに陥っています。
書きたいことはあるけれど、見切り発車で投稿していたあの頃の勢いが薄れ、一つの記事をゆっくりと時間をかけて書き、投稿できるタイミングで投稿すればいいや。と思うようになりました。
そんな中でも、ぽつりぽつりと昔の記事にスキをくださる方がいて。ありがたいことにコメントまでくださる方がいて。更には、過去の古い記事を紹介してくださる方までいらっしゃったのです。
驚くやら恐縮するやら。
noteは節目節目に"続けよう"と思わせる出会いがあるものなのですね。ご紹介いただいた記事を書いていた頃の熱い気持ちがまた沸々と湧き上がってきました。
この日、さわやかな薔薇色の翼に乗って届けられたような、noteからの通知が入りました。
saho045さん、ご紹介くださりありがとうございます。(他所様のコメント欄で長々とフレディ談義を…。もうすみません!恥)
saho045さんは、丁寧な日々の暮らしの中で素敵な音楽を紹介されています。
saho045さんの記事の中で、東儀秀樹さんが奏でるQUEENの曲について紹介されていて、早速検索してみました。するとなんと、雅楽版「ボヘミアン・ラプソディ」からの「I Was Born To Love You」が!みなさん、和製QUEENですよ!ああ、渋くて素敵。
フレディも「ワーオ、wonderful!」って言っているんじゃないかな。
saho045さんは、オペラ歌手のモンセラート・カバリエについても紹介されていました。モンセラート・カバリエといえば、フレディの愛しの女性なんですよね。
フレディが彼女の歌声に恋焦がれ、やっと叶った二人の共演。「バルセロナ」は二人の共作アルバムです。このアルバムの制作秘話のDVDを見ると、フレディは彼女に骨抜きにされていました。余裕たっぷり振舞うカバリエ対して、フレディはたじたじ。憧れの女性を前にして、よほど嬉しかったのでしょうね。少年のような素顔をのぞかせていたのでした。
フレディがここまで相手に合わせたのは彼女くらいではないでしょうか?
フレディが惚れ込んだだけあって、彼女の歌声はそれは素晴らしいんですよね。鈴の音のようなどこまでも透き通る清らかなソプラノ。さぞかし奥ゆかしい女性なのだろうと思いきや、性格は豪快でベビースモーカーであったところがこれまた魅力的。女性がついて行きたくなる女性。カバリエ姐さん!て感じ?笑
「バルセロナ」の中で、二人が日本語で歌う「ラ・ジャポネーゼ」の他に、私が個人的に好きなのがこちらの曲です。
◼️How Can I Go On
メロディが美しいことに加え、この頃のフレディの心情を想像すると歌詞がグッとくるのです。
この曲が作られた頃は、フレディは病気を宣告され迫りくる死を覚悟していた時期です。カバリエがフレディにキスをしようとすると、「モンツィ(カバリエのニックネーム)、僕はエイズだからキスはできないんだよ…」と悲しげに告げたそうです。
そんなフレディが、心の内を赤裸々に綴ったのがこの歌詞のような気がしてならないのです。
How can I go on, from day to day
どうすれば僕は進み続けることができる? 一日一日を
Where can I be safe? (where can I be safe?)
どこで僕は安全になることができる?(どこで僕は安全になることができる?)
In this great big world of sadness(In this great big world of sadness)
この偉大な大きい悲しみの世界で(この偉大な大きい悲しみの世界で)
美しいメロディゆえに、よりこの歌詞が沁みます。弱音を吐かず、前向きに振舞っていたフレディの心の悲しみが見えるようで、この曲を歌うフレディの表情にも込み上げるものがあります。
そんなフレディの苦しみを優しく包み込むように歌うカバリエなのです。フレディはカバリエによって当時の苦悩から救われたのだと評する書籍もあります。
フレディの出棺の際に流れていたのが、モンセラート・カバリエが歌う、ヴェルディの「恋はバラ色の翼に乗って」でした。
自分の人生の舵取りは自分でする、と最期まで毅然とした姿勢で死に向かったフレディです。この曲ももしかすると生前に"出棺の際に流して欲しい"とリクエストしていたのかもしれません。
フレディは痛みや苦しみから解放されて、清らかなカバリエの声と共に旅立ったのでしょうね。
こんな曲を思い出しながら昔の記事を読み返していました。