夏の終わりはQUEENと共に
今年の夏は異常に暑かったですよね。
連日の最高気温に右往左往しながら、いつになったら涼しくなるのやらと途方に暮れそうになりましたが。
甲子園もベスト8が出揃い、朝夕が比較的過ごしやすくなり、やはり季節は進んでいるのだな…とここのところ安堵しています。
さて、私ごとですが、お盆休みの後半に、海の見えるコテージに家族で数日泊まってきました。
管理棟でチェックインの手続きをしていた時のことです。ふとカウンターの横に目をやると、レコードが飾られていました。すかさずチェックすると、QUEENのレコードが並んでいるではないですか。
受付を済ませた後に、
「あの…、レコードって部屋で聴けたりするんですか…?」
と、恐る恐る聞いてみた。
「いえ、申し訳ございません。こちらは飾ってあるだけでして、お客様のお部屋ではお聴きいただくことはできないのです」
と。
ですよねー、としょぼん、としていると。
「プレイヤーがあるか探しましょうか?」
と、スタッフさん。
「お願いしますっ!!」
とすかさず返答。
すると、カウンターの奥をゴソゴソと探していたスタッフさんが、「ありました」と、古いプレイヤーを持って現れました。
念の為動くかどうか確認してもらうと、動いた!
なんと、旅先のコテージで、まさかQUEENのレコードが聴けるなんて。
飾られていた二枚のレコードを借りてそそくさとコテージに向かったのでした。
レコードに反応したのは、他でもない、あるnoterさんの記事の導きからでした。
ミッチェルおばちゃんさんのこちらの記事をお読みして、レコードがずっと気になっていたのです。(私の記事を取り上げてくださいました。ありがとうございます)
時代は巡るとは言い得て妙、最近はレコードを集めるコレクターも多く、QUEEN展や公式サイトでも売られています。
でも、プレイヤーはないし、私の収集癖を鑑みると手を出すまい、と思っていました。
コテージのリビングで、プレイヤーにレコードをセット。家族全員が息を呑んで見守る中、そっと針を落とすと…。
「ボヘミアン・ラプソディ」のピアノが…。
感動した。
レコードに馴染みがないので通常なのか、プレイヤー、またはレコードが古いせいなのかわからないのですが、「ジリ ジリ ジリ」と音がする。
これがなんとも言えない味を出している。
いつもはQUEENにそっけない家族も「いいじゃん!」と前向きな発言。
CDのようなクリアさははないものの、深みがある。インスタントコーヒーと、豆から挽いてドリップしたコーヒーの違いのような。
この一連の手順と「ジリジリ」と鳴る音がそう思わせているのかも知れませんが。
そして、二つ折りにされていた「世界に捧ぐ」を開くと、どどーんとこの図が。
CDに入っている馴染みの絵であるが、レコードでは迫力が違う。
ただ、このパターンを考えると、「ジャズ」を開くとあの全裸のお姉ちゃんたちが自転車に跨っている写真がこの大きさで載っているのか…。家族に見せられないかも。
家族でしばらく聴き入っていたものの、プレイヤーが古いのか、あるいはレコードが古いのか、ある箇所で音が進まなくなり何度も針を落とさなければならなかった。
これもレコード鑑賞の醍醐味なのでしょうか?
潮騒が聞こえる中、「世界に捧ぐ」のラストのこの曲を流していると、まさにメランコリックな気分になってしまった。
ああ、あんなに暑かった夏が終わるな。
夏の終わりにQUEENが側にあって良かった。
◆「My Melancholy Blues(マイ・メランコリー・ブルース)」