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響きが好きな言葉【茜雲】

【茜雲】あかねぐも

朝日や夕陽をあびて茜色に染まる雲

茜色とはアカネの根で染めた深い赤色のこと。


茜色に染まる雲を"あかねぐも"という響き。


子供の頃、門限を過ぎて自宅へ帰ると遊び相手は歳の近い姉だった。

空は"あかねぐも"に染まってまだ明るい。

母から夕飯に呼ばれるまでの間、家の前の小さな庭でバドミントンをする。

開け放たれた玄関からは母の作る煮物の匂いがただよう。


目標50回ね!

すぐに姉が目標を決める。姉が決めたことには逆らえないのだ。

運動神経の良い姉はすぐに返してくるが私はいつも失敗する。

シャトルが家の屋根に引っかかると祖父を呼びに行き梯子に登って取ってもらう。

庭の柿の木に引っかかると姉が竿で器用に落とす。

もう、つつじちゃんはどんくさい!

といつも姉に呆れられる。

必死になって50回を目指す。


夕暮れの空に広がる"あかねぐも"には目もくれず姉に追いつこうと必死にラケットをふる。




『茜色の夕日』フジファブリック

隣の気難しいおじさんの家にシャトルが落ちた時には決まって私が取りに行かされた…。
(姉には今でも逆らえない)