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青天の霹靂27(冬眞と廉の話し合い1)

二人はラウンジにやって来て、酒を酌み交わす。
この時、廉夏は夢の中だ。
鍵のかかった部屋に置いてきている。
「お前は、この事件、どう読み解く?」
「僕はやはり、彼が犯人だと思います。ただ、彼が犯行を思い止まっていた理由が分からない」
キツく唇を噛み締める。
「もしかしたら、この犯人は、優しすぎたのかもな」
「優しすぎた?」
廉はグラスを揺らす。
氷同士のぶつかる音を楽しむかのように。
冬眞は、グラスに口を付ける。
グイッと半分くらい空ける。
「僕はやはり、疑ってますが、彼を信じたい」
「なら、お前は最後まで信じぬけ。たとえ、現実が違かったとしても。それが、京極で生き抜くこれからの糧になる」
「つまり、廉さんは違うと」
「さぁな、分からんよ」
廉は一気にグラスを空ける。
で、冬眞の分も勘定を払うと、肩を叩いて自分は部屋に戻る。
冬眞は、グラスを揺らし、氷のぶつかる音を楽しむ。
で、チビチビ飲む。
そこに女性のグループが入ってきた。
彼女達は冬眞をチラチラ見てくるどうやら、気になるようだ。
「お嬢さん達は、ここの従業員か、何かですか?」
「そうです。ここだと、他に行くとこないので、結局、ここになります」
「なら、お話し聞かせてもらえますか?」
「えっ、私たちで分かることなら」
顔を赤くしながら言う。
「間宮会長は家族仲良さそうに見えましたが」
そう言った時、1人の女性が言った。
「私、亡くなった人を悪くは言いたくないんですけど、ルリカお嬢様ってちょっと苦手でした」
「あっ、私も」
「私だって」
「って言うか、あれ好きな物好きいなくない」
「言えてる。いたら見てみたいわ」
出るわ出るわみんなの本音。
ここまで、言われるとルリカさんも可愛そうになってくる。
「じゃあ、穂波さんは?」
「穂波様だけが、私達従業員の癒しの天使でした。あの子は会長達とは全然違う」
「それを言うなら、富山さんだって。何で会長何かの下にいるのか、分からないよね」
「あー、私も思ってたあの人なら、別の会社に行けるのに、何でかって?」
「何もないのって、あの人だけじゃない?」
「エ~、皆何か、あるの?」
「だいたいがお金かな。私も借りてるし。良い顔して貸してくれるけど、その後が最悪。奴隷決定よ」
「でも、皆が皆お金借りてる訳じゃないんでしょ」
「後は、脅されている人とかねぇ。どちらにしろ、奴隷決定じゃない」
「本当にね。ま、金借りてる家らも悪いんだけどさ」
「何か、やることが悪どいですね」
「悪どいも悪どい」
話がさらにヒートアップするかと、思われたとき、廉夏が来る。
「冬眞~」
「あっ、皆さんお話し聞かせてくれてありがとうございました」
冬眞は廉夏の肩に手を回す。
「起きたばかりですか?」
「うん、まだ眠い」
「じゃあ、部屋に戻りましょう。では、失礼しますね」
と、行って席を離れる。
エスカレーター前で冬眞は頭を下げる。
「助かりました」
「何か、分からないけど、廉兄に、行ってこいって起こされた」
冬眞の肩に頭を乗せる。
「さすが、廉さん」
肩に乗っている頭が次第に重くなり、冬眞は笑う。
そして、冬眞は廉夏をお姫様抱っこをする。
この時、廉夏はもう寝ていた。
苦笑いで部屋に戻ると、廉が出迎えてくれる。
だけど、笑っていた。
「これは、予想外の光景だ。ありがたいですけど、無理やり起こしたんですか?」
「ああ、困っていたろう?」
「確かに。でも、可愛そうです」
「そうかもな。明日、労ってやれよ」
「労いますよ」
「で、収穫はあったか?」
「ええ。富山さんと穂波さんの評価は一様に良いです。で、ここのスタッフ金を借りてるか、脅されているかで、皆さん間宮の奴隷みたいです」
「良いこと聞けたじゃないか?」
「ええ。でも、富山さんや、穂波さんだけじゃなく皆が恨んでいます。これでは、逆に広がったかも?」
「皆が恨んでいることが判明し、1歩前進だろう」

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