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蔓植物とちょびっとだけ天然ヘチマ水

子どもの頃、母の化粧台に置いてあるヘチマの化粧水をこっそり手にとってパシャパシャと顔につけてみると、なんだか大人の女性になったような気がしていました。しかしながら、説明はよく読まないと。。

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Yataの家は道路から少し高台になっていて、道路との間に一段おりられるスペースがあり、地面は小さな畑になっているのだけれど、その壁面の一部を蔦が覆っている。よく見てみると、壁面がむき出しになっている部分にも、蔦の枯れた古い幹が残っていて、もともとはすべての壁面を蔦が覆っていて、とても美しかったんじゃないかと思い、伸びすぎた蔦を伐採しては根を生やし移植することで再生を試みているが、蔦が壁面全てを覆うまでには、なかなか時間がかかりそうである。

なんとか、壁面を緑のカーテンにしたい私は、3年前、蔦が覆う逆側の壁面がむき出しになっている一番はしっこに、宮崎からきた友人が強くすすめてくれた、ハヤトウリを一株植えた。これが、初夏になるとものすごい勢いで蔓をのばし、夏から秋にかけては、壁面をよじ登り、上段のローズマリーやキッチンセージをなぎ倒していく。今年は、なんと、蔦のエリアにまで領土を広げつつあるのだが、冬を迎える頃にはすべて枯れてしまう。

そして、今年の春には、蔦とハヤトウリのちょうど真ん中にヘチマを植えた。ヘチマの蔓もぐんぐんと伸びて、夏になる頃には、上段に放置してあった物干し台にからみつき、うまいこと物干し台にぶら下がるように、綺麗な黄色い花が咲き、ヘチマの実がなった。スポンジを作ってみていたら、いとこの子どもが興味を示し、ひとつ、持って帰った。

その後もどんどんヘチマが実を結ぶので、そういえば、ヘチマ水ってどうやって作るんだろうとふと思い、インターネットで調べてみた。たくさんのサイトにいろんな方法がでてきたが、どれも、ヘチマの茎を切って、切り口を一升瓶に挿しておけば、ヘチマ水ができるというものだった。

中秋の名月の頃、9月の上旬から中頃にかけてが収穫時期に良いと書いてあったので、その通りやってみることにした。参考にしたサイトには、1リットルほど採取できると書いてあったが、「本当かな?」と思っていて、最初は小さな瓶を設置しようと思ったのだけれど、ちょうど、中秋の名月のあいだは実家へ帰らなければならずチェックすることができないのもあり、Yataの家の引っ越し祝いでいただいたお酒の一升瓶をなにかに使えるかと置いてあったのを思い出し、引っ張り出してきた。

中秋の名月の朝、へちまの茎の切り口を一升瓶の口に差し込んで、ゴミや虫、雨水などが入らないようにアルミホイルで覆った。そして、ヘチマ水は夜の間によく採取されるそうなので、昼間の太陽をさえぎるためにAmazonの大きな紙袋で一升瓶ごと包んで、切り口の部分はガムテープで固定した。これで完璧!と満足して、その日は実家へ帰った。

3日後、Yataの家に戻り、うきうきしながら瓶を取り出してみると、下の方にほんのちょびっとだけ液体が溜まっているのが確認できた。1リットルにはならないにしても、それにしても30mlくらいしかないので、これはどうしたものかと思い、再度、インターネットで検索。

やってしまっていた。。「へちまの茎の切り口は、根っこ側を差し込まなければならない」とあった。逆側を差し込んでしまっていたのだった。涙

来年のために記録しておこうと思う。
「地面から50~60cmのところで切った茎の根元側を一升瓶に差し込む」

このヘチマ水の採取方法は、根元からヘチマの実に入る養分をそのまま一升瓶に頂く構造になっているよう。そして、茎の切断にもコツがあり、「ヘチマ茎の涙腺を見極めてカット」と書いてあるのだが、涙腺はどうやって見極めるのだろうか???どなたか教えて欲しい。。

ヘチマ「糸瓜」は別名イトウリ、これの略がトウリで、「ト」の字のあるのが、「いろは歌」の「ヘ」と「チ」の間、「ヘチの間」なので、「ヘチマ」と呼ばれるようになったとのこと。なんとも美しく適当な世界観。。

採取できた貴重なヘチマ水、化粧水として使うには、多くのサイトには「煮沸させて」とか、「グリセリンを加えて」とかあったが、一人のおばあさんの「そのまま使う」という記事があった。

Yataの家に生えるいろんなハーブで肌や頭皮、髪の毛のケアを、自分の身体を実験体として実験を重ねている私としては、ひとまずこれを採用。もともと子どもの頃はアトピーが酷く、祖父の漢方薬でよくなったのだが、大人になってからの化粧品はどれも肌に合わなかった。良いと勧められるとても高価なものも片っ端から使ってみていたけれど、結局、肌にぬった途端に気持ち悪さすらやってきてしまう。なんだかおかしいなと思いながら過ごしてきていたのだけれど、東日本大震災を機に、ケミカルなものを使わない生活を始めた途端、肌も髪の毛の状態もぐんと良くなった。そして、夏の作業中、虫に刺されたり草にやられたら、ドクダミの葉っぱを、直接、肌にすり込むのが1番よく効く。

へちま水の一升瓶の中では一匹、蟻さんがお亡くなりになっていたのだけれど、濾過だけして小瓶に移し冷蔵保存。ほんのちょびっとだけしかないし、数日ほどは人と会う予定もないしと思いドキドキしながらの実験スタート。1週間ほど夜の洗顔後に使ってみているが、こころなしか、肌が柔らかくなっている、ような気がする。

いずれにせよ、夏の間に太陽の光にさらされてきた肌に、ヘチマ100パーセントの水分を補給できるというのは、これもまた、この時期にもたらされる自然の恵なのだろうなと感謝。


参照:へちまや群生舎
https://shop.unagino-nedoko.net/?pid=144988014


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