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スイングするなら意味あるよね

来年2月に始まる情報発信施設の名称は、「清水がいっぱい いはラボ」(通称:いはラボ)となった。
しょせんは素人しろうとがつける屋号だ。時間ばかりかけても、いいものになるとは限らない。
事務局会議で議題の一つに上げて、ハイこの場で決めましょうねと迫った。一人ひとり提案してもらい、多数決で決まるまで20分もかかっていない。

思い入ればかりたっぷりで、見た人が何であるかわからない名称は困る。
個人的には「茶屋」とか「村」とかの単語を入れたかったが、「ラボ」も最近では、よく使われているらしい。語感も悪くないし、今後は「いはラボ」でいく。

けっきょく理事は長くて1年半、短い人だとつい数日前にメンバーになったばかりの、平均年齢40代の女性・4名が担うことになった。
これもその場の流れで、一人の女性が理事に決まると「じゃあせっかくだからアナタもどう?」のノリで、(自分はやりたくない)オジサンたちのやり口がこうを奏した形だ。
さんざん会社組織を経験した男たちからすれば、計画の無謀むぼうさや「理事」という肩書の重さ、加えて自分の年齢を考えた時、ひるんでしまったということだろう。

会議を始める前には、想像もつかないメンバー構成となった。そしてこれは、理想的な「いはラボ」の姿でもある。

縦社会を生きてきた我々オヤジ達には、理屈よりも権威に弱い人間が多い。それが田舎で、昔からいろいろな役職を担ってきた人物であれば、なおさらである。
お口より先にまずは動いたら?と思っても、ご本人は「お口=動いてる」つもりだから始末に悪い。目下めしたの僕としては一応は相手を立てながらも、結果としてこちらの思惑おもわく通り誘導しなければならない。
役所がああだ、担当のなんたれがどうだと幾ら言ったところで、物事が進むわけではない。
2月が期限の話だ。決まったらやる。こっちはシンプルにいきたいだけなのだ。

男が縦社会なら、女性の社会は横のつながりになる。
相手が何様であろうと、権威よりも人で判断する。この価値観が実にいい。

男のつながりが仕事や趣味、町内会といったある種の利害から生じる傾向なのに対し、女性には好き嫌い、楽しい楽しくないの判断でつながっていく傾向がある(あくまで傾向だが)。子供がいれば、そこからの横のつながりだって男の比ではない。
結果として女性の方が交友関係も広がるし、情報伝達能力も高い。口コミによる宣伝効果は抜群だ。

男女同権といったところで、日本において家庭の財布を握っているのは常に「お母さん」である。
自分が働いた給料を管理するのは妻であり、毎月決まったお小遣こづかいをもらって過ごすのが、日本の男の定型だ。
収入が減ると容赦なく小遣こづかいも減らされるという、実に気の毒な立場にあるのが男なのだ。
お財布握る主婦が主体の運営、間違いない。

今回のような地域密着型のスモール・ビジネスであれば、運営していくのは女性の方が圧倒的に有利だ。唯一男の僕は、中を切り盛りするより「情報発信」のため「いはラボ」周知のため、外交に務めたほうがいい。地元企業に協賛いただき、少しでも外資を稼ぐことに傾注したい。
すぐには無理でも、関わる人がボランティアでなくちゃんと生計を立てられるような仕組みを作らなければ、「いはラボ」の継続は望めないからだ。

そのための下準備として、今日は午後からホームページを、担当の女性2人と実際に作り始める。
名刺やチラシにはホームページURLをQRコードで印刷し、ひとまず「いはラボ」がなんであるか、これから何をやろうとしているかを周知しなければならない。それを昨日夜の会議で決めて、「いつやろうか」「明日空いてる」の快速テンポである。こいつぁ、ご機嫌にスイングしてるぜ。

面白いのは、我が地区今年の自治会長だ。4月の就任後、月1回開催している「井戸端会議」に欠かさず参加され、以前から要望していたWi-Fi機器を自治会館に設置してしまった。ド田舎の集会場に、破格の機能が備わったわけである。

7月末までこの世にいたヒロシさんが、「(Wi-Fi)あれば嬉しいけど、そんなの絶対無理だよ」と言っていた実現性低いはずの話が、2か月経ったら現実になっている。スイングしてるねぇ。
「オレ、今年は自治会長で動けないけどさぁ、来年はいはラボお手伝いするからね」と自治会長。どんどんノッていきましょう。

おかげ様で午後は、各々おのおのノートパソコン持ち込み、片や実際にホームページを作成し、片やネットを駆使しながらその組み立て方を検索するといったことが可能になった。
3人で、ああじゃねぇこうじゃねぇ言いながら作るホームページというのも、初めてだ。孤独な作業より楽しくやれる。
最低でも今月中には、形にするつもりだ。情報は後から、どんどん追加していけばいい。

税務署やら役所やら、内装も看板も、短期間でやらなければならないことが目白押しだ。どうなるかわからないが、それでも間違いなく2月には、プレオープンしていなければならない。
そのためには可能な限りすべてをシンプルに、しかも極力カネをかけず達成していく必要がある。

しかしまぁ、ものは考えようだ。
家賃も光熱費も設備投資も必要なく、店が開けるなんて、普通に考えたら夢のような話である。妄想も口にするうち、実現することだってあるのだ。

そんなこんなで我が頼もしき女性スタッフ4名と、いよいよ「いはラボ」は始動する。
思いっきり、スイングしちゃうんだもんね。
たとえカラ元気であっても😅

イラスト Atelier hanami@はなのす


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