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若者対策より 愚か者対策を

朝のネットニュースで、以下の記事を目にした。昨日の記事「全国35カ所の国立公園に高級リゾートホテル誘致、岸田総理が表明へ」に続き、一体この国の未来はどうなってしまうのか、暗澹あんたんたる気持ちにさせられる。
その”未来”は遠いものではなく、何ごともなければ僕も健在である極めて近しい”未来”だから、他人事でなくそう感じる。

政府が少子化対策の一環として、「若者のライフデザインや出会いの支援」、いわゆる婚活支援に乗り出す方針であることがFNNの取材で新たに分かった。若い世代が、結婚を含む自分の将来を考えるきっかけを後押しする狙いがある。

2023年の婚姻数は47万4717組で、戦後初めて50万組を下回った。また、2023年に生まれた赤ちゃんは72万7277人で過去最少となり、1人の女性が産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率も1.20で8年連続で過去最低となったことも記憶に新しい。

結婚する人が少なくなっている現状が少子化の背景にあるとみて、こども家庭庁が新事業の創設も視野に検討を始める「若者のライフデザインや出会いの支援」。結婚や出産などライフイベントについて多様な考え方が尊重される昨今、人生の選択肢が増えた若い世代が、結婚や出産についてどのように考え、いつどんな支援を求めているのかを探り、ニーズにあった支援を目指す。

こども家庭庁は、19日に「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ」と題した検討会を立ち上げ、現役の大学生のほか、結婚相談所や人口動態の専門家を交え、具体策について議論する方針だ。検討会では、政府の新たな婚活支援策についても議論される見通しだ。

たとえば欲しいレコードがあって、おいそれとは買えない10代の頃、母親に振るわぬ学業への意欲を匂わせる。
「教科書だけだと理解しきれないところがあって… 参考書とか、あるといいんだけどなぁ」
すると母親、身を乗り出し「それ、いくらするの?」
「安いのだと一冊2,000円くらいで、最低5教科で10,000円かなぁ。ちょっといいやつだと、一冊3,000円するのもある」
そこで母親「頑張んなさいよ」と、聖徳太子を2枚差し出したもんである。

ここは匂わせるのがポイントで、「参考書を買いたい」と断言はしない。
それならもらった20,000円をどう使い、どう頑張ろうと、こちらの裁量権の範囲という自己流の解釈が成立する。

その際、一冊は実際に参考書を購入し(しかも適度に厚みがあって低価格なヤツ)、ときどき居間など母親が目のつくところに置いては、やってる感をアピールする。
としがいってから生まれた長男というのは出来が悪かろうとかわいいものらしく、この程度でも充分に母親を、ダマせた納得させられたもんである。残り18,000円程度は数度に分けてレコード代へとあてがわれ、知識と教養を高めることができたわけである。
ちなみにこの手法はつどアレンジを変え、バージョンアップをはかることで幾度でも成立した。もちろん学業が向上したためしはなく、母親が意図した投資という視点で見れば、それは全てムダ金となったわけである。

僕の場合、用途は変われど実に生きたカネの使い方をしたのでなんの瑕疵かしもない(知らんけど)。だから堂々と批判の論陣を張ることができるわけだが(知らんけど)、【「若者のライフデザインや出会いの支援」を結婚相談所や人口動態の専門家を交え、具体策について議論する方針】って、いったい何周遅れの話しとんねん。

それって、年間5兆円に上るこども家庭庁への”お小遣い”を、ためになる振りして業界や関係者に利益分配するってだけの話じゃないの?
現に、地元の若者に最も身近な地方自治体では、ひと昔もふた昔も前からそんな試みはやっていて、なんの目に見える成果も上げとらんじゃないの。

5兆円って言ったら、国防費と同額だぞ。
中国・ロシア・北朝鮮、それぞれが違った意味で追い詰められ、暴走だってしかねない核武装の隣国の状況を考えれば、一人2個までと決められたパンを4個もって自分の部屋に持ち帰っただけで停職にされてしまう現職の自衛隊の皆様の境遇を思えば、そのまま国防費に回せよってなるのが、自然の感情だろう。

愚か者が政財官を牛耳ぎゅうじるこの国、未来と言わず来年の近未来でとらえても、チとヤバすぎないか。(明日に続く)

イラスト Atelier hanami@はなのす


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