アダムとイヴのりんご
反復と差異、高揚と陶酔をキーワードとして色々と考えている。
反復による高揚と差異による陶酔というのは、つまるところ「性」の話に行き着くのかなという気がする。
DNAはらせん構造を持ち、複製(反復)と変異(差異)を繰り返す。
その複製(反復)と変異(差異)にも高揚と陶酔が伴っていると仮定すると、複製(反復)を繰り返すうちにエネルギーが高まって(高揚)、変異を起こすことが快感(陶酔)に相当する。
(利己的な)遺伝子が快感を求めて変異しているとすれば、種の保存とか多様性というのはあくまでも結果に過ぎないことになる。
アダムとイブの話を改めて考える。
エデンの園には2本の木があり、生命の樹の方は永遠の命が得られ、アダムとイヴは知恵の樹の実(リンゴ)を食べて善悪の知識を得た。
知恵の樹の実を食べた人間が生命の樹の実までも食べ、永遠に生きるおそれがあることから、アダムとイヴはエデンの園を追放される。
という話。
別のストーリーを想像する。
リンゴは「性」の象徴でもあり、実はこのリンゴには遅効性の毒(現代なら100年後には死ぬ)が入っていて、アダムとイヴはこの毒リンゴを食べて、「性と死(エロスとタナトス)」を同時に獲得したというものである。
単細胞生物は死なないとも言われる。
生命の樹の実を選べば、永遠の命を持つ単細胞生物。
知恵の樹の実を選べば、「性と死」が得られる人間。
アダムとイヴは快感を選択した。