直線的な時間と円環的な時間

西洋では時間を直線的なもの、東洋では円環的なものとみなしているようである。

平野啓一郎「考える葦」より
 人間の時間についての幾何学的なイメージは、基本的には、直線か、円かのどちらかだろう。時間が菱形に流れているだとか正方形に流れていると考える神秘家もいるかもしれないが、それが思想的次元にまで洗練された例を、私は寡聞にして知らない。
 しかし、円環的な時間は、実際はそうした多角形的なイメージの方が近いのかもしれない。四季を考えるなら、正方形の方が却って合理的とも思われる。
 重要なのは、時間の再来であり、回帰である。

例えば、らせん階段のようなものをイメージして、一方向へ上昇または下降して戻らないものとすれば直線的な時間であり、上から俯瞰して見れば円環的な時間(反復)が流れていると見ることができ、時間に直線的も円環的もなくなる。

しかし、横から見ると、段差の分の差異が生じている。
輪廻の考え方からすれば、この差異が人生の意義だと考えることもできそうである。

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