私の履歴書 大使館へ

大学では「枕草子」を学びに、文学部への進学を希望していました。
しかし家業の為「兄さんが経済学部だから、お前は商学部へ」強く勧められ、仕方なく商学部に通う事に。

しかしボキゲンロンなどに疲れはて、心身共に参ってしまいました。

そんな時に新聞広告が、目にとまりました。「イタリア大使館・官邸ボーイ」募集でした。(これは面白いかも?)飛び付きました。

条件は唯一つ「簡単な英語を理解できる事」でした。慶応大学裏の大使館には、20名程の応募者。いづれも、年上の人ばかり…

面接は大使秘書のA女史がなさいました。結果「大川君、ボーイさんには相応しい方がいる。貴方は事務所はどう?」お薦め頂きました。

こうして木造二階建ての、小さな事務所でパートタイムジョブを
始めたのです。
今の立派な大使館からは想像できない、質素な細長い建物でした。

こうして私の人生は意外な方向へと、大きく動き出しました。