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【詩】スイートピー

花屋の店先にスイートピーが並んだ日
白、紫、ピンク、オレンジ
やさしい色合いの花束を買いにやって来た男性を見ていた
わたしの携帯には久しぶりの君からの着信
「今日は仕事に行きたくないんだ」と君が言う
「へえ、そうなの」とわたしの口は乾きながら答える
スイートピーの花束を抱えた男性が目の前を通り過ぎる
ほのかな甘い香りが通り過ぎる
通り過ぎたものを見送りながら
「とりあえず行ってらっしゃい」と平らかな心を持って
君への言葉を絞り出す
スイートピーの可愛さにひとり笑みを浮かべ
それにしても最後に花束をもらった日を思い出せず
平らかでカラカラな心を抱えたまま
スイートピーの花束を抱える自分を想い描いている
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