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DaVinci Resolveのテロップ機能について
以前、私はDaVinci Resolveと、Aviutlというフリーソフトを使っていました。カット編集や色の調整はDaVinch Resolveで、テロップや派手なエフェクトはAviutlで…という、随分と面倒な使い分けをしていました。
というのも、当時、私はDaVinci Resolveのテロップ機能を少しだけ触って「ナニコレ、ワカンネ」と、半分諦めたような形で終わっていたのです。そして、私の中でDaVinci resolveは「縁取りを1回かけるくらいしかできないソフト」のイメージになっていました。
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しかし、何年か時が経った今、改めてじっくり触ってみると、思っていた以上に高度なことができたことが判明したのです。Adobeが高いので 個人的な事情で、来年あたりにプレミアプロを解約することになるかなー…と思っていた矢先、かなりの朗報でした。なんたって、無料。
以下、DaVinci Resolveでテロップを作ってみて、特に感動したポイントをいくつか紹介します。下に行くほど、マニアック度が上がります。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。
ちなみに、例によって 回し者ではありません。
(使用バージョン: DaVinci Resolve 18.6)
①3Dテロップを簡単に作れる
DaVinci ResolveのFusion機能を使用することにより、3Dテロップを簡単に作ることができます。
テレビ番組で3Dテロップを作成するためによく実際に利用されているのはElement 3Dという、AdobeのAfeter Effectを使いつつプラス数万円かけて導入しなければならない追加プラグイン。個人の趣味のために導入するには厳しい代物です。
その点、3Dテロップをデフォルト機能で入れられるのはかなり強いですね。
テクスチャも張れます。
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②装飾の自由度が高い
DaVinch ResolveのText+における装飾パターンは、大きく分けて4種類。
各画像右側の、「外観」と書いてあるパネルに並んでいる4種類です。
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各機能のキャプションに記しているのは、正式な機能名ではなく適当ですが、なんとなくの特徴はお分かり頂けるかと思います。それぞれの機能について、独自の調整パネルが設けられています。
上記画像の2つ目、「縁だけ」の機能では太さを調整できるので、太さを上げて位置を調整すれば…
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よくあるドロップシャドウの形になります。これくらいは、どんな動画編集ソフトでも出来ると思いますが、自由度がとにかく凄まじい。
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…とまあ、色々できます。使ってみた感じとしては、装飾(シャドウや背景)自体を1つのオブジェクトのように扱えるイメージなので、それぞれの装飾単体でぼかしたり、サイズを変えたり、斜めにしたりすることができます。そのため…
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こんな感じのことも1レイヤーで完結できます。
また、自由度が高いので、デフォルト機能として備わっていないものを擬似的に無理やり再現することも可能です。例えば以下のような形です。
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本来は文字の後ろにかけるシャドウの優先順位を変更し、前面に持ってきてぼかすことにより、擬似的にベベルっぽい効果を付けています。組み合わせ次第で何でもできる、自由度の高すぎる装飾…。
③色のバリエーションを簡単に作れる
どういうことかというと…。
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本来であれば、文字色を変えて、シャドウの色を変えて…
と、1つずつ設定しなければいけないところですが、全体の色相を一発で変更することができるのです。装飾が複雑になると1個1個変えるのは想像以上に面倒です。喋る人によってテロップの色を変えたいときなど、あらかじめ色のバリエーションを作る際に大幅な時短ができます。
④線の結合スタイルを1つずつ選べる
「装飾の自由度が高い」に括れる話ですが、あまりにマニアックなので別枠にしました。
以前の記事(https://note.com/lovely_daphne785/n/nc7819996e35e)で、縁取りの結合パターンについて書きました。縁取りには大きく分けて
・マイター結合(ギザギザ、尖った縁取り)
・ラウンド結合(角が丸い、柔らかい縁取り)
・ベベル結合(ゴツゴツ、角を切り落としたような縁取り)
があるという話でした。
それに関連し、個人的にDavinci Resolveで感動したことです。
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上の画像をよく見ていただくと分かるのですが、マイター結合、ラウンド結合、ベベル結合を混在させることができるのです。縁取り、ドロップシャドウ1つ1つについて個別に、線の結合の種類とマイター値(角の削り具合)を設定することができます。こんなに細かい設定は(必要かはともかく)他の動画編集ソフトではできないでしょう。
以上、思っていたよりすごくて驚いた、DaVinci Resolveのテロップ関連の機能でした。