病と寿命①
数年前にがん患者となって、残りの寿命と人生について考えた。駄文の連続、よろしければお付き合いねがいたい。
数年前のこと、当時の職場の健康診断結果で要精密検査の項目があった。
バリウム検査の結果、胃に影があるので内視鏡検査を受けるようにとのこと。
以前から慢性胃炎の診断を受けていたこともあり、そのときもそれほど気に留めてはいなかった。
熱を出したときによく受診していた近所の開業医で内視鏡検査を受け付けているというので予約を入れる。
内視鏡検査を終え、胃壁を撮影した数枚の画像を見ながら医者が険しい表情で言う。
「細胞診の結果が出ないと何とも言えないが、結果が出たら紹介状を書くので大きな病院でもう一度検査するように」
画像を見ると、そこにはいかにも悪そうな色合いの病巣が写っていた。
次の日、普通に出勤して職場に行く。
事務職だったのでデスクに向かってパソコンを開く。
午前中はまだ何ともなかったのだが、午後から目眩がしてどうにも座っていられない。
上司に断って休憩室に横になる。どうしたことだろう?
30分ほど横になっていたら、だいぶ良くなったので自席に戻る。
しかしまたもや目眩がして10分も座っていられない。
結局、退勤時間を過ぎても体調が戻らないので妻に迎えに来てもらい、そのまま前日に内視鏡検査を受けた医院に直行。
血圧を測ると、なんと上が80しかない。血液検査は貧血状態を示している。
医者が肛門に指を突っ込むと、そこには血の塊が…
「すぐ紹介状書くから、病院の救急外来に行きなさい!」
医者がそう言う。
え?今晩一晩休んで明日じゃダメなのか?と問う。
「明日の朝、冷たくなってても責任持たないよ!」
これは只事ではない。
急いで自宅に戻り、入院の準備をして病院に向かった。