脳腫瘍の愛猫との1年間のお話 5
抗生物質を飲ませて、膀胱炎を治せばトイレをまた使ってくれるよね。まずは薬をしっかり飲ませることから。我が家では試行錯誤の上、薬を粉状にし、シロップに混ぜ、スポイトで飲ませることにした。
主人が猫を抱きかかえ、私がべべの口に液体を流し込んだ。可哀そうな光景ではあったが、血尿を出しているべべの現状のほうがかわいそうだ。ここは心を鬼にして流し込むしかない。
元気いっぱいの頃ならべべは人間の手から飛び出して逃げるだろうに、割とおとなしく主人の胸に抱かれていた。
「べべも弱ったなあ。。。」。ポツリと主人がつぶやいた。
いまでも忘れられないのだが、私はこの言葉で泣いてしまった。家全体を自分のテリトリーとして闊歩していたのに今は奥の部屋に閉じこもって、具合が悪いのを隠している。その健気さもなんだかつらかった。
早く膀胱炎治るといいね。水飲み場も増やし、家のあらゆるところで水にアクセスできるようにした。