脳腫瘍の愛猫との1年間のお話 10
こうして猫専門の動物病院に向かった。そこには看板猫がどでーんと横たわっていた。顔を寄せてみるとグルグルと喉を鳴らしていた。この音、久しぶりだなあ。べべが最後にグルグルしてくれたのはいつだっただろう。。少し前まであんなに健康だったのに。。。などと考えているうちに診察室に呼ばれた。
獣医師にこれまでの経緯、べべの現在の状況、他病院での検査結果、動画を見せた。動画に関しては、
「これまっすぐに歩いてないですよね。」
素人目にはまっすぐに見えたのだが、そうではないらしい。
「スポイトで流動食って末期のガンの猫にやることですよ。」
「首から下は問題ないのですよね、そしたらあと残るは頭部ですよね。大学病院のMRIを待っていたら1か月はかかりますよ。それじゃあ遅いですよね。」
これらの言葉で一気に目が覚めた。頬を平手打ちされた気分だった。
そうだやっぱり今の状況はおかしいのだ。そして、これらの言葉が対応が後手後手に回っていた私たちへの強烈な後押しとなった。
お礼言ってその動物病院を後にした私達夫婦は、帰宅後すぐに高度医療センターへの紹介状を書いてもらうべく、1番最初に行った膀胱炎を治してくれた動物病院に電話を掛けた(いろんな獣医師が登場し、ややこしいので、この1番最初にべべを診てくれた獣医師のことをこれからかかりつけ医と呼ぶことにする)。