コロナ禍で日本に対して抱いた違和感
私たち日本人はマスメディアによって操作されている。なぜなら、私たちは新型コロナウイルスに関するほとんどの情報がマスメディアを通して得られている。今まで新型コロナウイルスについて自分自身で考えたことがあるだろうか。ほとんどの人がマスメディアや周りの人間が言ったことを鵜呑みにして行動していると思う。また、コロナウイルスに関する報道は当事者またはその周りの命に関する報道であるため、誰もが当事者意識を持ち、コロナ禍でメディアの影響力は今まで以上に強くなったと言える。
しかし、日本のメディアはコロナウイルスに関する必要な情報を取捨選択をして報道できているのか。日本のマスメディアは感染者の情報やクラスター発生地の病院、企業、自粛期間中の有名人の外出、謝罪を報道した。その結果、感染することは悪であると言った認識を一部で助長したと考える。
日本人の多くがマスメディアに動かされている。2017年に行われた世界価値観調査によると、日本のマスメディアへの信頼度は世界第4位の69.3%であり、先進国のなかでは最も高い結果となっている。また、2018年に行われた日本大学大学院新聞学研究科による「報道の自由度ランキング」によると日本は67位と世界的に報道の自由は低いと言える。これらの結果からわかることは、日本人は見方や感じ方がゆがめられてしまうため、世論誘導がされやすく、真実が見えづらいということだ。
マスメディアから得たコロナウイルスの情報を人々が蓄積した結果、それぞれの疑似環境を作り出し正義感を生み出した。アメリカの社会学者W・リップマンは、われわれが現実の社会だと思っているものは、じつはマスメディアによって作られた疑似環境にすぎないと言った。疑似環境の中で作り出された正義感は、自粛警察による過激な言動やマスク着用の強要、またアメリカではアジア系へのヘイトクライムといった問題を文化的背景の上で顕在化させた。これらの問題の要因として、マスメディアが伝達する膨大な情報を処理して理解する能力が有されていないからだと考える。そのため、情報化が進んだ現代社会では自分の頭で考える必要がある。
マスメディアから情報を得ている私たちは、どのような形で取材が行われているのか、ファクトに基づいた情報かどうかを見極め、メディアを理解することがこれからの私たちにとって重要だと考える。
引用元 https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202011_02.pdf
https://www.asahi.com/articles/ASN2H3WJQN2GUHBI00R.html