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【イラン】美しいイスラムの世界へ
メディアや世間一般では危険な国とされているイランに、ペルシャ絨毯を扱っていることもあって視察の旅に行くことになった。
得意先のイラン人のアテンドがあるからこそ実現できるイラン行き、「こんなチャンスは二度と巡ってこないだろう」と、家族の心配をよそに未知なる国へ。
実際、イランという国や人々に直接触れてみると、これまで抱いていたイランのイメージが一転。
政治的には分かりませんが、国の内部は穏やかで、私たち日本人に優しくて親切です。
ペルシャ帝国時代からの深い歴史が刻まれた、それはそれは美しい国でした。
ドバイ経由でイランへ
世界一といわれるエミレーツ航空のEK317便で関空を飛び立ち、約10時間でドバイ国際空港に到着、ドバイで乗り継ぎイランの首都テヘランまではさらに約2,3時間。
イラン上空に差し掛かると、眼下に見渡す限りの茶色の光景が現れました。
地平線一面に広がる茶色の風景・・・
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こんな荒涼とした大地に、どんな生命の営みがあるのだろう?
未知なる国を想像していると、飽きることなくずっと眺めていられました。
イランの国土は日本の4,5倍、茶色の世界の所々に緑の高原があり、そこに街が集まっています。
6月の気温は35度、日本の真夏の暑さです!女性はスカーフなどで髪を隠します。
イスファハン
イスファハンは、かつてはシルクロードを伝って中国、ヨーロッパ、アフリカからイスファハンに道が集まる、交易の中心でした。
イマーム広場
イスファハンの中心にあるイマーム広場の周りには、絢爛たるペルシャの史的建築物が立ち並びます
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サファヴィー朝の第5代アッバース1世が1597年に首都をイスファハンに遷都した時、その中心となる広場として造り、広場の名前にもなっている壮麗なイマーム・モスクは、イスラム建築を代表する建造物です。
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伝統文化・歴史の町というだけあって美しい建造物の数々は必見です。
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鮮やかなペルシャンブルー、メダリオンはモスクの天井を表現しているとのこと、モスクの天井は神の域です。
各地域のカーペットのデザインは、地域地域のモスクの特徴や町の風景や色から生まれたものです。
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広場は周囲をぐるりと2層のアーケードのバザールが囲み、王族専用として建てられたシャイフ・ロトフォラー・モスク、イマーム・モスク、アリカブ宮殿が広場を囲むように配置されています。
世界遺産の中に人の営みが存在しているのは、異例なのだそうです。
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ジョルファ地区 アルメニア人の街
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アルメニア人を移住させキリスト教系の建造物を建てたのは、名君アッバース1世です。
建物はタイルやドームなどペルシャ建築の伝統様式を見事に融合させ、アルメニア人の資料歴史館や宗教画は見る者を圧倒させます。
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町はアルメニア国の風景をそのまま再現していて、「イランにいてアルメニアが体験できる」といっても過言ではありません。
イラン人の偉大で寛容な民族性が伺えます。
イランでの食事は主にサフランライスとケバブ。
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イスファハンでの宿泊先Abbasi
イスファハン市中心部にあるアッバシはイランで最も古く、最大のホテルであり、5つ星ホテル。
部屋の窓から外をのぞくと、庭園と庭園を囲む宿泊施設の芸術的とも言える美しい風景が広がります。
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約400年前にサファヴィッドのスルタン・フセイン王の時代に建てられたとても歴史ある建造物も中にはあり、1959年にフランスと中東美術の考古学者、建築家、歴史家によって改装され、今では世界で最も美しいホテルと呼ばれています。
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タイルの街、カシャーン
カシャーンはイランの北中央に位置するイスファン州の都市の一つで、「タイルの街」と呼ばれ、砂漠の近くの街ですので、夏に涼しい風を感じることのできる屋上テラスをもった伝統的な日干しレンガの家を見ることができます。
タイルやテキスタイル、絨毯などの様々な手仕事で古くから有名な古都で、17,8世紀ごろには王朝御用達のカーペット産地として栄えました。
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16世紀に建てられた古いお風呂、オールドハマムは、一歩足を踏み入れたとたん、わあっ!と声を上げるほど、内部はそれはそれは美しいタイルの装飾で埋め尽くされていました。
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カシャーンとは、「美しいタイルの街」という意味ということは知っていましたが、実際に目で見て実感です!
屋上に上がると、ドーム型の自然光を取り入れるための窓がたくさん、
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カシャーンのバザールは、イランのバザールのなかでも、最も美しいバザールのひとつとされています。
その中にある19世紀に作られたTimche-ye Amin od-Dowleh section
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アーケードを抜けるとこんな空間が!
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ギターとフルートの音色が響いていました。
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カシャーンでの宿泊先
カシャーンでの宿は、18世紀の邸宅で6つの中庭を持つ、4、5家族が住んでいた集合住宅です。
プライベートを保つためだったようですが、作りがとても複雑で、迷わないようフロントで地図をいただきました。
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歴史のある国イランでは、古いアンティーク家具もたくさん残っており、恐らく気候の関係だと思いますが日本では考えられないような古い家具も残っていました。
その他、クムやナインのいわゆるペルシャ絨毯の5大産地のうち4つの産地を巡り、紀元前から続くイランの深い歴史の裏打ちがあればこそ、ペルシャ絨毯の高い芸術性が存在することを実感することができました。
伝統を担う職人たちは、物質を使って世界の背後にある現実をどう把握すればよいかを教えることを担っている、と言います。
ペルシャ絨毯のデザインにはそんな宇宙的な世界観が込められていることも、この旅で知りました。
ドバイコネクト
イランから日本への帰国もエミレーツ航空を使用しました。
乗り継ぎ時間が8時間以上ある場合、エミレーツ航空では「ドバイコネクト」と言ってホテルの宿泊と食事が無料サービスで受けられます。
こんなお部屋に数時間滞在できます。
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時間があるので市内観光へ・・・しかし、暑い!この日の気温は42度!
息が苦しくなる暑さ、もわっ~とした暑さ、溶けるような暑さ、どう表現したらいいのだろう?
とにかく10分も外にいられません。夏は50度ぐらいになるそうですよ(>_<)
タクシーで市内観光へ
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タクシーで市内をぐるっと回り、涼しくて快適なドバイ・モールへ。
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ブランドショップの空間の中に水族館がありました。
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おわりに
今回の旅は、これまでの海外旅行とは違い、伝統とそこに住む人々の生き方、町の風景、そのすべてを肌で感じることができる旅でした。
最初に目にした上空からの荒涼とした大地、その中には美しい豊かな営みがありました。
実際に目で見て触れてこそ知ることができた世界でした(^^
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