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ロロ オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)/人生は、連なって絡み合って。なかったりする。
演劇って、かくも面白いんだ…
ロロの『オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)』を見てきました。観賞した感想を含むので、たまたまこのページを見ていて「これから見に行くから!ネタバレとか勘弁だから!よろしく!」という方は閉じた方がいいかもしれません。
まず、私はちゃんとした劇場で上演される演劇作品を見た記憶がありません。学校の劇やちょっとしたお芝居はあれども、プロが演じるしっかりな"作品"を見たのは生まれてこのかた初めてで、それを打ち破ったのが『オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)』です。長いので本記事ではオムスープと呼びます。
元がプロジェクトなのでその説明をすると、
1.50人のプロフィールを用意します。
2.全国各地で様々な形で上演していくよ!
というもので、本公演は各キャラの台本をまとめて上演するから"カタログ版"なんです。まさにカタログをめくっていくような、数分のお話がぎゅっと詰まった作品になっています。"物語未満の営み"と公式サイトにもあるように、二言でおしまい。みたいな話も。私はそれもいいなと思っていて、でもそれがこうして上演できるのはオムニバス形式で寄り集まらないと難しいんだろうなと。だからこそ今回見れて良かったなと思います。
形式もそうですが、中身が何より面白かったです。ほどほどにクセのある、もしかしたらいるかも?みたいな人たちの割となんてことないお話の連続で、笑えたりじっと見たり、それが心地いい時間でした。プロフィールがあるからと言ってそこに縛られてはいなかったり、さっきの人がここで!みたいなオムニバスだからこその伏線的?な楽しみとか。好きなゲームで言えば演劇版『428 封鎖された渋谷で』や『パラノマサイト』といった感じの体験でした。伝わるかな… でも別に皆が皆複雑に繋がってるとかじゃ全然なくて、それが過ごしやすいぬるめのフィクションを感じさせる部分でもありました。
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これは演劇全体に言えることですが、ショートストーリーでも物語的な面白さが生まれるのは、俳優さんの力を持って「その人」が目の前に現れるからだと感じました。"AさんのふりをするBさん"ではなく"Aさん"が。どうしたらそんなお芝居が作れるんだろうと。書けるんだろうと。答えはあるんですが、ふと不思議に思いました。
そしてこれも当たり前だと思うんですが、皆さん滑舌もよく声の通りがものすごい。普通に生きていてはまず触れられない生声の音量です。小道具も凝っていました。ちゃんと熱い料理は湯気出るんだとか、ちゃんと食べるんだとか、あのアイテムってここで繋がってるのか…!?みたいな考察も出来たり、表現の幅を広げるのが小道具なんですね。
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公式サイトの説明とちょっと違くない?ということがあったり、プロフや台本に誤字がちょいちょい見受けられたり(演出の可能性?)、途中の音楽がかなりの大音量だったり、100点満点の出来事ではなかったのですが(98.8点くらい)大変で忙しの渦に巻かれているんだろうな、その中でこんな面白いものを届けてくださってありがとう…と感謝したいです。台本も買いました。こう書かれているのが本番ではああなってるんだと舞台を作る面白さが垣間見えて、買ってよかったです。
演劇もロロの作品も初で、なので一般的に演劇はこういうものだ〜とか、ロロの作品のテイストは〜、みたいなことは全くわかりません。ただ一つ自信を持って言えるのは、
面白かった!!
ということ。初めて見るには少し特殊な劇だったかもしれませんが、初めてがオムスープで良かったなと思います。演劇って(タイプによると思いますが)あんなに声を出して笑っていいんだ、そして自分もこんな笑っちゃうんだと感じられる機会を逃さなくてよかった〜と。この新たな世界にハマる兆しが見えています。なんなら見るだけじゃなく演りたい。こういうのってどうしたら演じていける人生になるんでしょう。やっぱり劇団に飛び込むとかでしょうか。
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ちなみにチケットがまだあるそうです!!演劇好きな人もエンゲキって?な人にもおすすめしたいオムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)、必聴のアフタートークがある回も! 地方公演もこれから動いていくとのとこ。ぜひ!!