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運の力?



週末、道路で転倒し救急搬送された居宅の利用者
認知症と精神疾患の混合、独居男性

気に入らない人は玄関に入れないし
妄想の中で生きている元気な高齢者なので
担当ケアマネが介入に苦慮しているのを、ずっと真近で見てきた

今回は退院に関わった民生委員さんからの応援要請で
再度介入が始まった


夕方5時半
小規模多機能の利用者さんの夕食も始まり、
今日も無事終わりそう、とホッとしていた頃
ケアマネから電話が入った

「ごはん、食べに行ってもいい?」


え?来る?

なんなとあるから良いよ〜と返答したが
本当に来るのかなあ

前に出会った時は、玄関には入れたものの
お弁当を届けるのがやっと、の拒否ぶりだったけど、
思い出しながら、一人分の夕食を準備する

10分もしないうちに
ケアマネと男性ヘルパーの2人に連れられて
利用者さんはやってきた

以前出会った時の、元気が有り余る大柄なイメージはなく
少しサイズの合わないジャージを履いた猫背の姿勢
別人かと思うような、静かな様子だった

まだ、準備ができていないのを見たケアマネが
「お風呂、使ってもいい?」
ご飯ができるまでの間に、ヘルパー介助でシャワーを浴びる

数ヶ月前まではきちんと片付いていた本人の自宅は
ヘルパーが入る前の状態に逆戻りし
今日、ケアマネが訪問した時には
にまみれている状態だったとのこと

ケアマネと男性ヘルパー、もう1人のケアマネも応援に呼び
片付け、捨てまくり、本人を保護した

「送迎終わったら、車貸して〜」と社用車に乗ると
本人と共に買い物へ行き、下着と服を買って帰ってきた

遠方の家族は関わりを拒否した為
リーガルサポートにつなげることになった

にまみれた支援者たちは
いつも驚くほどの底力を見せる

「二日続けての、うまみれだね〜」と笑う支援者の頼もしさ

本人はシャワーを浴びてさっぱりした顔で
穏やかな表情で食事をとって
「あなたが作ってくれたの?美味しいです」と言ってくれる

に触れると、肝が座るのか諦めがつくのか
支援者も利用者さんも大きく変わるような気がしている

「泊まるなら、準備するよ?」と尋ねたら
「今日は、帰るわ」と返事をする本人

「今日は」

じゃあ
また明日、見知った顔に誘ってもらって
ご飯だけ食べて帰ればいい

そのまた次の日も
誘われて気持ちが乗れば、一緒に来てご飯を食べてね

こんなことができるのが
小規模の強み

そんな仕事じゃないだろ、って突っこまれても
緊急介入する居宅のケアマネたち

ほんと、いい環境だわ

ほんと、いい仲間だわ













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