小さなジャスミン
育てているジャスミンの木がある。
枝、というのか葉、というのか。
数年前に植物にハマった。
アパートでおおよそ20鉢ほどを育てていたが、数年経つと弱っていくものもあった
ジャスミンも同様に日に日に弱まり
「終わりかな」と思った日に、鉢植えをゴミ箱にひっくり返した。
ありがとう、ごめんねと思いながら処分した。
・・・つもりだったのだけど、枯れた中に小さな新芽を見つけた。
「まだ生きているところがある」
袋から無造作に拾いあげた新芽をそっとカットし、水に浮かべた。
うまくいけば水耕で根が出るかもしれないけれど、この状況では99%無理だろうと思った。
小さすぎるし、元は土栽培で育った子。適応は難しい。
それでも生きようとしている芽を最後まで見届けたくて、小さな透明のビンに浮かべた。
あれから1年。
まだ小さいけれど、水の中にしっかり根を張って生きている。
とてもゆっくりと生活をしている。
昔、ジャスミンが花をつけていた頃。
ある日起きた瞬間に、ふわっと甘い香りがした。
「どの子!?」と見渡したとき、とても可愛い白い花を見つけた。
小さなお星さまみたいだった。
魅了される、ってこういうことをいうんだろうなと、ずうっと眺めていた。
ちなみにジャスミンは花言葉も可愛い。
「温和」「愛らしさ」「あなたと一緒にいたい」「官能的」など。
わたしの育てる植物はみんなおっとりしていて、とってもマイペースに育つ。
さらに、他の家族が育てる植物よりも割と鈍感。
多少の日当たりや水量の変化には気付いていないらしい。
飼い主が放任主義だから、きっとほったらかされることに適応して暮らしているのだと思う。
みんな図太めなので案外生命力も強い。そんなところがとても好きだ。
みんなゆっくりさんなので正直成長しているのかわからない。
けれど死んでないということは、成長しているのだと思う。
ちゃんとそこにいることに気付きつつ手を焼きすぎず、共に暮らす相棒たち。
ジャスミンの他、今はパキラが2鉢とシンゴニウムネオン(ピンクの植物)かな。
・・・かな、というあたり本当に把握していない。
何年も一緒に暮らしているのに。もういるのが当たり前になってしまった。
一時期はわたしの寝る場所もなかったけれど、今はこの子達がわたしの仲間。
みんな可愛くて仕方ない。
話せなくても気持ちが通じているのならいいなと思う。
ではでは〜