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【通所介護】1分で理解できる『入浴介助加算』の解釈

◾️対象
・サービス:通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護


入浴介助加算とは?


入浴中の利用者の観察を含む介助を行う場合に算定できる加算
※以下、令和5年10月時点での内容となります。

種類および単位数


【ここだけ読めばOK】 加算のポイント


1.入浴介助は部分浴や清拭についても算定対象として良いのか
2.身体に直接接触しない介助の場合でも算定対象として良いのか
3.「入浴介助加算(ⅠI)」の算定要件の解釈

1.入浴介助は部分浴や清拭についても算定対象として良いのか


結論OK!
令和3年度の報酬改定で以下の文言が追記され具体的に示されました。

なお、この場合の入浴には、利用者の自立生活を支援する上で最適と考えられる入浴手法が、 部分浴(シャワー浴含む)や清拭である場合は、これを含むものとする。

2.身体に直接接触しない介助の場合でも算定対象として良いのか


結論OK!
以下、厚労省が『観察』について具体的に示している文言です。

この場合の「観察」とは、自立生活支援のための見守り的援助のことであり、 利用者の自立支援や日常生活動作能力などの向上のために、利用者自身の力で入浴し、必要に応じて介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを行うことにより、結果として、身体に直接接触する介助を行わなかった場合についても、加算の対象となるものであること。

3.「入浴介助加算(ⅠI)」の算定要件の解釈


ここの解釈が一番ややこしいですよね。
下のフローでまとめましたので算定可能かご確認ください。

ちなみに、最後の項目「個浴 その他の利用者の居宅の状況に近い環境」とは、手すりや入浴に要する福祉用具等を活用し利用者の居宅の浴室の環境を個別に模したものとしてOKと解釈が出ています。

入浴介助加算(ⅠI)のイメージ

以上となります。
今後も介護事業所の皆さんに役立つ情報等を定期的に発信していきます。
取り上げて欲しい介護報酬の解釈や加算要件または気になるトピックがあればお気軽にコメントください!

また、今回の内容やその他に関してご質問があれば答えられる範囲でお答えしたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願いします!

(補足)算定要件


◾️入浴介助加算(Ⅰ)
① 利用者が入浴を希望する場合に、入浴中の利用者の観察を含む介助を行う場合について算定されるものである(大臣基準告示第14号の3)が、この場合の「観察」とは、自立生活支援のための見守り的援助のことであり、 利用者の自立支援や日常生活動作能力などの向上のために、利用者自身の力で入浴し、必要に応じて介助、転倒予防のため の声かけ、気分の確認などを行うことにより、結果として、身体に直接接触する介助を行わなかった場合についても、加算 の対象となるものであること。なお、この場合の入浴には、利用者の自立生活を支援する上で最適と考えられる入浴手法が、 部分浴(シャワー浴含む)や清拭である場合は、これを含むものとする。
② 通所介護計画上、入浴の提供が位置付けられている場合に、利用者側の事情により、入浴を実施しなかった場合について は、加算を算定できない。 

◾️入浴介助加算(ⅠI)
① ア①及び②を準用する。この場合において、ア①の「入浴介助加算(Ⅰ)」は、「入浴介助加算(Ⅱ)」に読み替えるものと する。
② 利用者が居宅において、自身又は家族等(訪問介護員等を含む。以下この⑻において同じ。)の介助によって入浴ができるようになることを希望する場合に、以下a~dを実施することを評価するものである。
a 医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等(利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員を含む。以下②において「医師等」という。)が利用者の居宅を訪問(指定通所 介護事業所の従業員が送迎を行う際の訪問や当該利用者を担当する介護支援専門員によるモニタリング等を行う際の利用者宅の訪問等を含む。)し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価する。
b aにより利用者の居宅の浴室の環境を評価した結果、
・ 浴室が、利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが可能な環境である場合、利用者の居宅を訪問した医師等 が、介護事業所に対しその旨報告する。その際、当該医師等が介護事業所の従業者以外の者である場合 は、書面等を活用し、十分な情報共有を行うよう留意すること。
・ 浴室が、利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合は、利用者の居宅を訪問した医師等が、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員又は指定福祉用具貸与事業所若しくは指定特定福祉用具販売事業所の福祉用具専門相談員と連携し、利用者及び当該利用者を担当する介護支援専門員等に対し、福祉用具の貸与若しくは購入又は住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行う。
c 事業所の機能訓練指導員等が共同して、利用者の居宅を訪問した医師等との連携の下で、当該利用者の身 体の状況や訪問により把握した利用者の居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成する。なお、個別の入浴計画 に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に代えることができるもの とする。 d cの入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行う。なお、この場合の「個浴 その他の利用者の居宅の状況に近い環境」とは、手すりや入浴に要する福祉用具等を活用し利用者の居宅の浴室の環境を個別に模したものとして差し支えない。

(補足)Q&A


問 1 入浴介助加算(Ⅱ)は、利用者が居宅において利用者自身で又は家族等の介助によ り入浴を行うことができるようになることを目的とするものであるが、この場合の「居宅」とはどのような場所が想定されるのか。

(答え)
利用者の自宅(高齢者住宅(居室内の浴室を使用する場合のほか、共同の浴室を使用す る場合も含む。)を含む。)のほか、利用者の親族の自宅が想定される。なお、自宅に浴室 がない等、具体的な入浴場面を想定していない利用者や、本人が希望する場所で入浴する には心身機能の大幅な改善が必要となる利用者にあっては、以下①~⑤をすべて満たす ことにより、当面の目標として通所介護等での入浴の自立を図ることを目的として、同加 算を算定することとしても差し支えない。
① 通所介護等事業所の浴室において、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介 護支援専門員等(利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専 門相談員、機能訓練指導員を含む。)が利用者の動作を評価する。
② 通所介護等事業所において、自立して入浴することができるよう必要な設備(入浴に 関する福祉用具等)を備える。
③ 通所介護等事業所の機能訓練指導員等が共同して、利用者の動作を評価した者等と の連携の下で、当該利用者の身体の状況や通所介護等事業所の浴室の環境等を踏まえ た個別の入浴計画を作成する。なお、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の 中に記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に代えることができる ものとする。
④ 個別の入浴計画に基づき、通所介護等事業所において、入浴介助を行う。
⑤ 入浴設備の導入や心身機能の回復等により、通所介護等以外の場面での入浴が想定 できるようになっているかどうか、個別の利用者の状況に照らし確認する。 ・ なお、通所リハビリテーションについても同様に取り扱う。

問2 入浴介助加算(Ⅱ)について、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支 援専門員等(利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相 談員、機能訓練指導員を含む。)が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の 動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この他に評価を行うことができ る者としてどのような者が想定されるか。

(答え)
・ 地域包括支援センターの担当職員、福祉・住環境コーディネーター2級以上の者等が想 定される。
・ なお、通所リハビリテーションについても同様に取扱う。

問3 入浴介助加算(Ⅱ)については、算定にあたって利用者の居宅を訪問し、浴室におけ る当該利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この評価は算定 開始後も定期的に行う必要があるのか。

(答え)当該利用者の身体状況や居宅の浴室の環境に変化が認められた場合に再評価や個別の 入浴計画の見直しを行うこととする。

問4 入浴介助加算(Ⅱ)では、個別の入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状 況に近い環境にて、入浴介助を行うこととなっているが、この場合の入浴介助とは具体 的にどのような介助を想定しているのか。

(答え)
利用者の入浴に係る自立を図る観点から、入浴に係る一連の動作のうち、利用者が自身 の身体機能のみを活用し行うことができる動作については、引き続き実施できるよう見 守り的援助を、介助を行う必要がある動作については、利用者の状態に応じた身体介助を 行う。なお、入浴介助加算(Ⅱ)の算定にあたっての関係者は、利用者の尊厳の保持に配慮 し、その状態に応じ、利用者自身で又は家族等の介助により入浴ができるようになるよう、 常日頃から必要な介護技術の習得に努めるものとする。

問5 入浴介助加算(Ⅱ)については、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境(手す りなど入浴に要する福祉用具等を活用し利用者の居宅の浴室の環境を個別に模したも の)にて、入浴介助を行うこととなっているが、例えばいわゆる大浴槽に福祉用具等を 設置すること等により利用者の居宅の浴室の状況に近い環境を再現することとしても 差し支えないのか。

(答え)
例えば、利用者の居宅の浴室の手すりの位置や浴槽の深さ・高さ等にあわせて、可動式 手すり、浴槽内台、すのこ等を設置することにより、利用者の居宅の浴室の状況に近い環 境が再現されていれば、差し支えない。

問6 同一事業所において、入浴介助加算(Ⅰ)を算定する者と入浴介助加算(Ⅱ)を算定 する者が混在しても差し支えないか。また、混在しても差し支えない場合、「指定居宅 サービスに要する費用の額の算定に関する基準、指定居宅介護支援に要する費用の額 の算定に関する基準、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準、指定 介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準、指定介護予防支援に要する 費用の額の算定に関する基準、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関 する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準 の制定に伴う介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」 (平成 12 年3月8日老企第 41 号)に定める「介護給付費算定に係る体制等状況一覧 表(居宅サービス・施設サービス・居宅介護支援)」等はどのように記載させればよい か。

(答え)
前段については、差し支えない。後段については、「加算Ⅱ」と記載させることとする。 (「加算Ⅱ」と記載した場合であっても、入浴介助加算(Ⅰ)を算定することは可能である。)



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