【感想】YPAM2024 ミーティング・ポイント1 12/4(水)

国際フェスティバル/プラットフォームの現在と未来~新任ディレクターたちを迎えて ①アジア/オセアニアにおける協働

国内外の国際フェスティバルの、パンデミック中・以降に新任したディレクター、キュレーターによるシンポジウム。今回はアジア/オセアニア地域。欧州地域は12/6 10:30-12:00に予定されている。

登壇者は、リバー・リン(Taipei Arts Festival & ADAM キュレーター)、オフェリア・ジアダイ・ホァン(Shanghai Dramatic Arts Centre 国際プロジェクト・ディレクター/ACT上海国際演劇祭 プログラム・ディレクター)、ケイト・ブリトン(Performance Space and Liveworks Festival アーティスティックディレクター)、ラトリ・アニンディアジャティ
(Indonesian Dance Festival ディレクター)。モデレーターは、丸岡ひろみ(特定非営利活動法人国際舞台芸術交流センター 理事長 横浜国際舞台芸術ミーティング ディレクター)。

印象的だったのは、Indonesian Dance Festival。日本の演劇祭でいえば事務局にあたるであろう運営チームが女性のみで構築されているという。日本ではなかなかないかも、と思いつつ、芸術公社とかは女性が多いのかしら。舞台制作者の方は女性が多い印象だけれども、それも最近のことなのかしら。この辺も修論で切り込んでいけたらいいな〜と言霊を放っておく。
また、KYOTO EXPERIMENTが世界のアーティスト、演劇祭と繋がっているんだな〜というのも、先月きちんと学べれば良かったところ。文化は西高東低、というお話を聞いたりもしたので、関西の舞台芸術事情を学びたい。

国際交流基金/YPAM共催 2024年度舞台芸術専門家派遣事業(シンガポール)報告会

今年度より新たに開始した、独立行政法人国際交流基金とYPAMの共催によるアーティスト派遣プログラムの報告会。初年度として、シンガポール側の協働先であるダニエル・コックと、シンガポールに派遣された5名のアーティストによるシェアリングセッションを行う。

プロデューサーを育成するAPPキャンプに対して、こちらはアーティストの育成が目的。
政府ではなくアーティスト(ダニエル・コック)に直接声をかけたのが良かったポイントとのこと。ただシンガポールの舞台芸術の概要を情報量多めに知るという感じで、プログラムの期間中にアーティストを深く知るような交流はなかなか難しかった模様。
日本では助成金が年単位でしかもらえないことや、自分の作品ややりたいことをプレゼンする機会が少ないという問題提起も。自分の作品が社会にとってどのような意味を持つか確認する機会を設けるという意味でも、今回のYPAMにあるようなスピードネットワーキングは意義深いのだろう。

YPAMフリンジ・シンポジウム


ハートリー・ケンプさんから、エディンバラ・フェスティバル・フリンジについてのお話。


エディンバラ・フェスティバル・フリンジは、フェスティバルであり、マーケットでもある。出回るチケットは席数の4割ということは、そのほかは関係者向けに確保されているということだろう。
YPAMに来て、フリンジやフェスティバルの「マーケット」という側面について考える必要があることを感じていたので、深めたい。

ペク・ギョヒさんから、ソウル・フリンジ・ネットワークについてのお話。


こちらは開催場所が2017年から変わったとのこと。現在はスタジアムをトイレや会談など隅々まで利用してフリンジが行われている。カフェのオーナーさんと仲良くなったりと、常に場所に対してアンテナを張っているそう。フリンジの場所の自由さみたいなものはストレンジシード静岡が体現していると思っているので嬉しかった!あとはレビューの重要性を改めて。「演劇祭の作品をレビューすること」について、そこに特別さが必要か、聞いてみたかった!


まとめると、
・舞台制作者の性別。そこに偏りがあるならばその理由。
・自分の作品をプレゼンすることとその機会について。世界のスタンダードと日本の状況が知りたい。
・助成金を年単位で出す出さないに関する議論。どのような反対意見に阻まれていて、その議論は何年代に起こったのか?
・「マーケット」としてのフリンジ。稼ぐ演劇祭とその良し悪し。
・演劇祭の場所性。その作品への影響の評価。
・演劇祭の作品のレビューがその他の作品のレビューと異なるのか。
が、今後の問い!

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