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ちょっと面白いラブホの定義と偽装ラブホテル問題

ちょっと面白いラブホの定義

ラブホテルとは、皆様ご存じのように性行為を主目的とした部屋設備を提供する施設のことで、短時間(休憩)もしくは宿泊サービスを提供している。警察庁が把握している全国のラブホテルの軒数は約5,000軒であるが、実際にはその5倍に当たる35,000軒が存在していると推定されている。(出典: Wikipedia)

法律上、こんなサービスを提供しているところは、店舗型性風俗特殊営業として届け出が必要、と定められている。(それが全国で約5000件)。ざっくりまとめると、

  1. 回転ベットとか、行為を映すために大きな鏡が設置されている。

  2. 大人のおもちゃとか避妊具が販売されている。

  3. すけべ椅子や、拘束器具など、それ用の設備が置かれている。

  4. 外部からの遮蔽性が高い。(駐車場が目隠しの向こうとか。)

  5. 従業員や他の顧客と対面しないように、導線や支払い方法が工夫されている。

こんな条件があたります。(全部満たす必要はない。)要は、普通の宿泊には要さない施設やサービスが提供されている場合は、届け出が必要ということです。実際の条文は固い日本語で書かれていますが、お堅い方々が懸命にラブホの定義を考えたと思うと、少し面白いですね。
こんな規則はありながら、実際は、申請の業者さんも少なくありません。

未申請の偽装ラブホテルが多い理由 ー届け出をすると色々めんどくさいー

ですが、実際は届け出をする業者は一部にとどまっており、ただのホテルとして届け出をしておきながら、実質ラブホテルとしてのサービスを提供する業者が極めて多く(2008年時点で全国3600件ありました、現在は減少。後ほど説明します:出典)、界隈では偽装ラブホテルと呼ばれ、ちょっとした社会問題になっています。

では、なんで届け出をしないのか?店舗型性風俗特殊営業として登録されると、ラブホテル規制条例や風営法に基づく立ち入り検査等の対象となって、いろいろ面倒なことが多いからというのが端的な理由です。

正直に届け出をしてしまうと、
「学校の周辺200メートルにはラブホを立ててはいけません」とか、
「警察の厳しい目にさらされる(普通のホテルは、嫌疑ない限り警察官がズカズカ入ってこない)」
とか、めんどくさいことが多い。それゆえ、規制が比較的緩い、普通のホテルとして登録して、営業をしようと試みる業者が増加したという経緯です。

ちゃんと減ってきた偽装ラブホテル

とはいえ、実際に小学校の近くにラブホテルが出来たりすると社会問題として、偽装ラブホテルが取り上げられ、2011年1月に施行された改正風俗営業法により、全国の偽装ラブホテルのうちおよそ2700軒がちゃんと届け出をしました。また、実態はラブホテルであるにも拘らず旅館として禁止地域で営業したとして「日本レジャーホテル業協会」会長が2009年に逮捕されました。(出典全国偽装ラブホテルをなくす会っていう団体もあるくらいです。

ラブホだからこそ、コンプラはちゃんと守る

アングラな産業と思われるラブホテル業界ゆえ、法的な規制はなかなか厳しめです。特にパパ活などの未成年犯罪が行われる温床として、批判を浴びることも少なくありません。とはいえ、人間には、非日常な行為を、非日常な場所でしたいという欲求は間違いなく存在します。きれいごとが並べられやすい昨今だからこそ、窮屈さを感じている人間のそんな欲求が満たされる場所としてラブホは、大人の秘密基地のようなもので必要不可鉄な場所だと信じてやみません。ラブホを持続可能な産業にするべく、コンプラを遵守しつつ、発展させていくことに少し貢献していければなと考えています。


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