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vol.6 『人が集まる場づくり』〜サッカー・フットサルづくりの教室2020〜



第6回のテーマは「人が集まる場づくり」。
川崎フロンターレの施設事業部グループ長を務める谷田部然輝さんにご登壇いただき、同チームが如何にして地域に愛されるクラブなのか、そのワケから今後参加者の方々が「場」を作る際に参考にしたい事例や考え方を学びました!

谷田部さんが考える場所づくりにおける大切なことは、ずばりこの2つの考え方です。

●行政と交渉する場合は、市民を巻き込んでする
●民間企業に対しては、万人受けを狙わず、独自性を高めて勝負する

このような考えを持つに至ったストーリーを川崎フロンターレが地域と共に歩んで来た取り組み、そしてこれからの展望をお話しいただきました。


(第1回〜5回の様子はこちらから)


フロンターレの取り組み


2001年のJ2降格を受け、翌年は観客激減。
過去のプロスポーツチームの本拠地移転やインフラ環境から川崎はスポーツが根付かない街と当時認識されていた中で、J2降格&観客激減フロンターレの役割は何か、何をすべきかを見つめ直したといいます。

そこで目を向けたのはJリーグの理念にある「地域密着」の言葉。当時、熱心に地域密着を具現化して取り組んでいると言えるクラブなかった中で率先して取り組み始めた。

そして掲げたスローガンは、「FOOTBALL TOGETHER」。
以来、20年経っても変わらないそうです。

考え方はシンプルで、以下の二つが根底にある。

役割:川崎を活気明るい街にする
計画:市民クラブ(みんなのクラブ)と位置づけて推進する

では、具体的にどのようにそれを実現するのか。スローガンを掲げて以来、フロンターレは一貫してこの4つのアクションを実行しています。

・開かれたクラブづくり
・地域密着のホームタウン活動
・スタジアムの賑わい
・トップチームの強化

個人的な感想とはなってしまいますが、この中でも特に3つ目の「スタジアムの賑わい」はとても興味深かったです。谷田部さんは、「もちろんチームは勝ち続け、強く在りつづけることを目標にします。しかし、それが永遠続くことは難しい。であれば結果でない時が来たとしても、どうしたらお客さん来てくれるか。そういう視点での取り組みが大切。」と話します。

負けたら嫌われるクラブではなく、なんか等々力楽しいなという思いを持ってくれる取り組み。観戦に行きたい、また来たい、楽しいという意識に繋がる「賑わい」を如何に作りだすかということをフロンターレは大切にしています。

谷田部さん自身の経験と現在の取り組み

谷田部さんの川崎での地域密着を目指した取り組みは、2001年から始まりました。

まずはサッカー、フットサルの理解者を増やすべしという考えを念頭に、市のサッカー協会との関係強化の目的も視野に入れ共に開催されました。(
W杯効果もあり、200チーム以上が参加!)

このイベント参加者の中に鷺沼水道局で働く方がおり、関係性ができたことで鷺沼プール跡地活用として、フロンタウン鷺沼が2006年に誕生しました。

その後、チケット担当やグッズ担当を経て現在は施設(開発、管理)、グッズ、責任者として活躍されています。

その間、市民を巻き込み22万以上もの署名を集め、等々力のメインスタンド改修等をご担当。行政の力を借りてる以上、サッカーファンの為だけではなく市民みんなのためにあるべきだという信念の元、スポーツの聖地というスタンスで市民に協力を求め、単に署名活動だけでなく、市民の方々と話し合う機会を設け、アイディアを取り込んだ上で改修は進められました。

現在は、2023年3月オープンを目指す「フロンタウン生田」プロジェクトに尽力。この施設は、アカデミー拠点と同時に地域住民の皆さんの場でもあることが特徴です。スポーツ施設で在りながら、病院、保育園、多目的広場、ジム、塾、テナントも一体となり、市民の方々に多く利用してほしいと話します。街の中にある小さな街のような施設ですね!


質疑応答では、サッカー専用スタジアム建設について、コンセプトの使い分け、地域住民の声の聞き方、マネタイズのアイディア等の意見交換が行われました!


さて、残すは次回の最終回となりました。
十人十色の登壇者の元、参加者の方々は自身の作りたい施設のコンセプトと照らし合わせながら取り組んでこられたと思います。

最終回では、参加者の方々がお互いのイメージを共有し、さらにブラッシュアップする機会を設けられたらと考えています。

<文:小田 晋太朗>
Instagram: @shintaro_yc
Twitter : @oda_shintaro


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