ラブコンテンツにみるアイディアの考え方②パロディ 恋する広告16
こんにちは。コンテンツプランナーの土田です。
アイディアを生み出すときは、ある種の思考のフレーム。
前回の①最大化、最小化に続いて取り上げるのは「パロディ」。
パロディと恋愛コンテンツの掛け合わせを考えたいと思います。
■パロディ
映画やテレビ番組、実に古くから使われているコンテンツ思考法です。
パロディの良いところは「(既存の知識があるため)理解しやすいこと」と、「ちょっとしたズラしが(ファニーな)面白さを生むこと」です。
例えば日清チキンラーメンのWEBムービー。
こちらはドランゴンボールのあれですね、フリーザ様ですね。
(なぜか画像サイズが小さいのですが…)
フリーザ様
フリーザ様はドラゴンボールを知っている人に限定されますが、
国民的アニメーションなのでありなのでしょう。
(ただここまで特定の作品に寄せるのは許諾を取っているのでしょうか)
パターン①東亞合成 『君に、くっつけ!』
https://www.youtube.com/watch?v=6N74Q467uok
少女漫画の王道ともいえるキスシーンから始まり、
冴えない主人公とイケてるヒロイン、
同じようにイケてるライバルに邪魔されて亀裂が入ったとき、
男のライバルが急に告白して…!?
少女漫画の「あるある」を詰め込んだラブコンテンツですね。
パロディの特性でもあるのですが、
基本的にギャグコンテンツになりやすい傾向があります。
パターン②キリンビバレッジ 『平成恋愛図鑑』
https://www.youtube.com/watch?v=TJ-KKq0WQ18
「小学生あるある」「トレンディあるある」に続く第三弾。
「平成恋愛あるある」が詰まったiMUSE(イミューズ)のWebムービー。
昨今ではパロディは派生して「あるある」タイトルを付けた別フレームが多用されている傾向があります。
ただ余りにも多用され過ぎて、若干見飽きてきた印象がありますが…
こちらもやはり、ギャグが主体になっています。
それではギャグではない恋愛系のパロディコンテンツはあるのでしょうか?
パターン③サムスン 『どんな君も、逃さない。告白』篇
https://www.youtube.com/watch?v=nrUkfYPLLqY
恋愛ドラマのワンシーンのようなショートムービー。
雪の中で駆け出す青年、駅で電車を待つ彼女、盛り上がるBGM…
これも恋愛ドラマパロディでしょう。
でも最後のオチが急に写真を撮るだけでは、
感動させようとしたのでしょうが、感情移入できません。
一方で感動するパロディCMといえば、少し昔ですがこちら。
パターン④au 『最後のメール』篇
https://www.youtube.com/watch?v=J10af9kxPWg
2003年に制作されたこのCMも、いわゆる恋愛ドラマのパロディでしょう。
雪の中で走る男性、駅で電車を待つ彼女は上記のサムスンと同じです。
でも決定的に違うのはストーリーの緻密さ。
彼女の耳が聞こえない、だからこそ重ねてきた言葉、
それゆえのすれ違いと気づかされた本当の気持ち…
これぞ恋愛コンテンツの王道ともいえる傑作CMです。
恋愛コンテンツをパロディにするときは、
ターゲットに対してどういう気持ちを醸成したのか、
そこを考えてみたほうがいいかもしれませんね。
もし純粋に感動させるためだとしたら、
相当求められるハードルは上がると思います。