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男性である私がランジェリーを好きになった理由と、身にまとうようになったきっかけ

ランジェリーが大好きで、ランジェリー用のTwitterアカウントを2020年11月に作りました。2021年2月ぐらいから、恐る恐るですが、自分でもランジェリー情報や考えをつぶやくようになりました。少しずつ、少しずつ、フォローしてくださる方やメッセージをくださる方が出てきて、とても嬉しく感じています。ランジェリーが好きな方の、優しい心根に触れて感動しています。

しばらく前に、私のランジェリーについての思いについてnoteを書きたいとつぶやいてからずいぶんたってしまいました。ついに書いてみようと思い立ちました。上手な文章ではないですし、思いがきちんと伝わるかな、受け入れてくださる方はいらっしゃるのかな・・・など不安を持ちながら、この文章を書いています。

一回のエントリーですべて書けない気もしますので、まずはキリの良いところまで今日は書きたいと思います。

男性向けブラジャーを大手通販さんも発売

まず、前置きとして、きちんとお伝えしたいことがあります。私は男性です。男性ですが、ブラジャーやキャミソール、ショーツといったランジェリーを日常的に使っています。女性が日常的に使っているのと同じにように、私も毎日のように使っています。下着ですから、毎日身につけますよね。私にとっては、男性向けの下着が女性向けのものに置き換わっただけだと思っています。もし、不快に思われる方がいらしたら申し訳ありません。ただ、私はいわゆる「ネカマ」のように女性のフリをすることはいやですし、女性だと思ってフォローしてくださる女性を裏切りたくないと思い、正直にお伝えしています。

こうした男性が普通でないことも分かっています。しばらく前にブラジャーをする男性はメディアなどで取り上げられ、少し、世間のご理解が進んだりしたのかなとは思っています。最近は、大手通販のニッセンさんが男性向けのブラジャーを発売しています。

以前から、ウイッシュルームさんが男性向けで販売されていました。ウイッシュルームさんも下着通販の老舗ですから、社会的な認知に貢献されたと思います。その上で、さらにニッセンさんという大手が販売を始めたことは、時代が変わったなと感じています。

ニッセンさんもウイッシュルームさんも、どちらも、女性向けのブラジャーと同じような華やかでかわいいデザインで販売されています。男性がこんなかわいいものなんて・・・と思われるかもしれません。初期はウイッシュルームさんもシンプルなデザインのものでした。

ですが、ランジェリーの美しさに虜になった私としては、女性向けと同じコンセプトでデザインをされているということにとても嬉しく思っています。

こうした男性向けのブラジャーは、男性にとって嬉しいものです。女性と骨格が違いますから、女性向けのブラジャーは男性にはきちんとまとえないことがあります。

と言いながら、私は男性向けのものはほとんど持っていません。幸い、女性向けのもので自分にあうサイズのものがあります。

ランジェリーの美しさを教えてくれた女性と店員さん

ランジェリーはレースやデザインの繊細さもさることながら、相当数のパーツで作られた芸術品です。そのストーリーには感動しますし、ランジェリーの作製から販売まで関わっていらっしゃる方、全員に敬意を持っています。

美しいランジェリーを観るだけでも、心が躍りながらも、ふわっと軽くなり、落ち着きます。そして、気にいったランジェリーをまとうとなんだか、自分らしい自分になれる気がするのです。

もともと、ランジェリーが美しいと思ったのはいつの日でしょうか。記憶をたぐってみますと、大学生のころにお付き合いをさせていただいた女性がいます。その方は、胸が大きく、高校生の時にGからHカップほどで大学生になるとHが定着し、ものによってはIカップでした。今ではGやHのブラジャーは手に入るようになりましたが、ネット通販がまだだった時代は百貨店に行き、高いものを買わないといけない状態でした。

学生にもかかわらずお金がかかることは大変ですが、一方で、百貨店の美しいランジェリーをしていました。その女性が身にまとっていたランジェリーをみて、触れさせてもらい、私は「女性の下着ってかわいいとは思っていたけど、ここまで繊細に作られている・・・」と感動しました。若い頃の男性が女性の下着姿をみたら(下世話な話しですが)、性的な興奮を覚えてしまうのですが、私は同時に、その美しさと繊細さに魅入ってしまいました。その女性自身が魅力的な方だったこともありますが、ランジェリーそのものも関心を持ちました。

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Photo by Ivana Batalović

当時の彼女は、私の真摯な好奇心に理解を示してくれ、「私ので良かったら、好きなだけ触ったり見てもいいよ」と優しい言葉をかけてくれました。とある日、彼女がいつもブラジャーを購入している店に一緒に行きました。私は、その日、落ち着かなかったと思います。ランジェリー売り場に踏み入れるだけで、心臓が高鳴り、心音が周りに人に聞こえるんじゃないかというぐらいに緊張しました。彼女は「彼氏です」と店員さんに紹介してくれて、私はなんとか落ち着きました。店員さんはとても優しい方で「彼氏さんも、彼女さんとご一緒にこちらのランジェリーをみてはいかがですか。とても素敵なレースが使ってあります。男性はなかなか分からないかもしれませんが、女性にとってもランジェリーはとても大切。命と言うと大げさかもしれませんが・・・」など話しかけてくださったので、私の緊張はほぐれ、美術館で芸術品を見ているような気分に切り替わりました。

その彼女とは、その後お別れを迎えてしまいましたが、とても大切なことをお互い学んだ存在として、嫌な別れにはなりませんでした。まだ、この段階では、私は自分でランジェリーをまとうには至っていませんでした。ですが、あの美しいランジェリーを身につけてみたい、という気持ちは芽生えていました。「でも、男の自分がしたら変だよね。そもそも、サイズはあわないだろうし、胸もない自分が、ね」と心のなかでつぶやいていました

初めて自分用のランジェリーをお店で買う

月日が流れてから、とある街を歩いていたとき、ランジェリーの路面店を通りかかりました。男性でランジェリーのショーウインドーを見るのは気兼ねしますが、その日、私は少し立ち止まりディスプレイされていた商品を少し見ました。すると、店員さんが中から出てこられて、「今日は寒いですし、店内でごらんになりますか?」と声をかけてこられました。私は「え・・・」と躊躇しましたが、「今、お店に他のお客様はいらっしゃいっませんし、男性がプレゼントなどで購入される時代ですよ」と。

もちろん、セールストークという面もあったと思いますが、その声に私は安心して、でも、まだ躊躇は残しながら「・・・では、少し拝見してもよろしいでしょうか・・・」と応え、店員さんは「もちろんですよ。私からお声がけしたんですから」と案内をしてくださいました。

一人でランジェリーショップに入ることは初めてでした。どうしよう・・・という気持ちになりましたが、店員さんが「こちらがディスプレイの商品です。色違いで5色でていますよ」など説明をしてくださいました。店舗の二階にも案内をしてくださいました。「ほんと、きれいでかわいいもの、いろいろありますね」という月並みな感想を述べていました。

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Photo by Nataliya Melnychuk

ここで、「ランジェリーを自分でしてみたい」という気持ちが大きくなりました。店員さんは、「ブラジャーはサイズが色々あるんですよね・・・デザインだけでは選べないので、プレゼントでしたら、サイズを知っているとよいですね。もし、サイズを聞けない、ということであれば、当店はタグをとらず、汚さなければ一週間は返品も可能ですし、安心してお買い求めいただけます」と案内をしてくださいます。私は、どうしようか・・・と迷いがありました。「ほんと、素敵な商品がたくさんありますね」など、今考えれば、同じようなことを間延びするような台詞を繰り返していました。

数分たったところで(本当は1、2分だったかもしれません)、緊張しながらも、自然に口をついて出てくるように、「実は、私、以前付き合っていた彼女が素敵な下着をしていて、きれいだ、自分でも欲しいと思ったことがあります。あ、下着が欲しいって、変な意味じゃないんです。ほんと芸術品みたいで、手元においておきたい、って」と話しました。店員さんは「嬉しいです。男性でそこまで思う方は、ほとんどいらっしゃらないですよ。男性がしても私はいいと思います。お客様でしたら、カップはBかCでアンダーは75ぐらいでご利用いただけると思います」と思いがけないことをおっしゃいました。この後は、自然な流れで「では、店員さんが今、オススメのものを教えていただけますか。」と話し、店員さんは「もちろんですよ。こちらは、初めての方にも良いと思います。上下セットです。あとは、色はお好きなものを。個人的には、グリーンかブルーが気に入っています」と案内を続けました。私はグリーンにピンときて、「では、このグリーンのものを・・・」と選び会計をしました。

会計時には、メンバーズカードのご案内をいただきながら、「今日はお買い上げありがとうございました。また、いつでも来てくださいね。私、Nと申します」と胸にとめたネームプレートを示しながら挨拶をされました。そして「もともと、女性向けのものなのでサイズだけが少し不安ですが・・・もし合わなかったら交換します」とお話を続けられまいたが、「いや、さすがに男性である私が返品をしたらご迷惑です。ご経験のあるNさんがみたててくれたので、きっと大丈夫だと思います。今日はありがとうございました」と話してお店を後にしました。Nさんは寒い日にもかかわらず、店舗の前まで見送ってしばらくお辞儀をしてから、私に手を振りお店の中に戻られました。

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Photo by Christiann Koepke

素敵な店員さんたちと、初購入きっかけの店員さんと再会

これが、初めての私のランジェリー購入体験です。当時は、今ほどネット通販が普通ではありませんでした。とても素敵な店員さんに会えたと思います。その後、こちらのお店は閉店してしまい、Nさんとお目にかかることは数年間ありませんでした。

その後、同じメーカーのよく行くお店が他にできました。そちらの店員さんにもとてもよくしていただきました(他の体験は機会をみて書きたいと思います)。こちらのお店で店員さんと話していたとき、Oさんという店員さんとこんな会話がありました。

Oさん「ブランさん、一つ、お伺いしてもよろしいでしょうか。もう2年ほど当店にいらっしゃっていて、聞きたいなと思うことがあるのです。失礼だったらすみません・・・」

私「いえ、なんでも聞いてください。私は、Oさんにいつも丁寧に接していただいているので、失礼なんて思いませんよ」

Oさん「あのう、いつごろからなんですか、ブラジャーをなさっているのは。なにかきっかけがあったのでしょうか。ほんと、お詳しくて、下着に対する愛情もあって。一般の女性のお客様よりもご存じだし、私も男性だから・・・と思うことはありません。」

私「数年前に、ここと同じメーカーさんの○○店にいったときに、店員さんからどうですか、と言われて初めて自分用のを買ったんですよ。たしか、Nさんという店員さんでしたよ」

店員Oさん「え!Nは最近、当店に異動してきましたよ。まだブランさんはあっていないかもしれません。今日は○時から出勤しますので、もし、お時間があれば、またお立ち寄りください」

私「びっくりです・・・では、また寄ります」

という会話をして店舗を去りました。

数時間後、再訪するとOさんが「あ、ブランさん、またありがとうございます。N、先ほど来ましたよ。ブランさんのことを話したら、完璧に覚えていました。Nは、私がきっかけで下着を好きになってくれて嬉しいといっていました」と話しつつ、Nさんが出てこられました。Nさん「懐かしいです!またお会いできるなんて。また当店にも来てくださいね」という会話をして帰りました。

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Photo by Jessica Da Rosa

私のランジェリー好きは、単にランジェリーという商品が好きなだけでなく、それにかかわる人たちの人柄や優しさにも触れたことが大きいと思います。それはセールスを伸ばすためだから・・・と思う方もいらっしゃるかもしれません。そうかもしれません。私は、それなりの金額のセットを購入しており、毎月2セットぐらいは購入していましたので、そこそこの購入額だったと思います。そうだったとしても、私がランジェリーの良さを深く知るためのナビゲーターをこうした店員さんがしてくださったのは間違いありません。経済活動ですから、利益のためにということも当然だと思います。

ここまで色々書いてしまいました。これでは、まだ思いについて書き切れていないと思いますが、今日はこの辺でと思います。今日は、ランジェリーへの思いというよりは、ランジェリーの初購入とその思い出というような文章になってしまいました。

女性からも、ブランさんの情報は参考になる、ランジェリーへの気持ちが分かるというように思っていただけたらとても嬉しいと思っています。もちろん、「男性がランジェリーなんて」不快な気持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。

それでも、私は私としていたいと思います。

ランジェリーのさらなる美しさに目覚めたのは、イタリアのラ・ペルラです。こちらの話しもまた別の時に書いていきたいと思います。

今日、このような記事を書いて公開すること、少し勇気を振り絞りました。もし、今度も読んでくださるランジェリー好きな方がいらしたらとても嬉しいです。

(cover photo by Nataliya Melnychuk

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