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【マンガ業界Newsまとめ】KADOKAWA/ピッコマ提携、続くクレカ決済停止、このマンガがすごい!2025発表 など|12/15-179

マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガ・アニメの業界カンファレンスIMARTを主催するMANGA総研代表の筆者が、マンガ・Webtoon関連のニュースを、ビジネス系を中心に、短時間でチェックしていただけるようにまとめています。

1週休みましたので、2週分のニュースとなり、紹介記事が多いのでテキスト少なめになっております。

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KADOKAWAがカカオピッコマと業務提携 無料で読める連載作品の最新話を毎日更新! 画期的電子マンガマガジンを共同で立上げ 国内最大級のIP創出装置に

今週一番、業界が「お?」と、?付きで反応したたニュースだったかと。

つい先日、KADOKAWAがソニーにより買収か?というニュースが出ました。その際にそもそも現在のKADOKAWAの株を最も沢山持っているのは、韓国カカオグループと言う見方もありました。

そんな中で、日本のカカオピッコマとKADOKAWAの連携ですので、狙いはなにか?と考えてしまいます。

まず、KADOKAWAは新しい作品を世に知らしめる場として、Web・アプリ両方を運用するカドコミ(旧ComicWalker)を持ち、同時にストアとしてBOOK☆WALKERも運営し、国内外に展開しています。

一方で、月間1000万ユーザーが利用と謡うピッコマ上で新作を「先行」させることは、カドコミではリーチしない、比較的閉じた層であるマンガアプリ内のユーザー層に、狙い撃ちのKADOKAWA作品を届けられるやもしれません。ある種、分断されたユーザーがそこにいる可能性もあります。

というような考え方も取れるかなと思います。

「各社の新作がピッコマで連載される」という意味では、ピッコマは2022年にチャンネルというサービスを開始し、現在はクローズしているようです。
*:ご指摘をいただき、クローズはしておりませんでした。トップ画面のフッターからアイコンが無くなったため、クローズしたと勘違いしておりました。大変失礼いたしました。

近いと言えばこれに近いですが、今回の打ち出し方や「MANGAバル」という新レーベルには、別の拡張性もあるのやもしれません。

各電子書店・マンガアプリのユーザー層も固定化して久しく、必ずしも自社IPを自社プラットフォームで売らずとも、収益の最大化を、作品に合せた打ち出し方で果たすことも珍しくなくなっています。

一先ず今後の動向をうかがうところかなと。


「オトナの女性向け」作品のクレジットカード決済を終了 アニメイトのボイスドラマ配信サイト

男性の大人向けサービスを中心に、クレジットカード決済の終了が相次いできましたが、女性向けサービスでもというところです。

決済会社の側では、表現に対する規制を一層強くする方向で大きな流れが出てきています。こちらのリリースでは「日本のアニメやマンガなどの文化を世界に広める支援を行います。」とありますが、最早詭弁です。

とはいえ、こうなると一企業ではどうにもならず、彼らもこう書かずにはいられないのでしょう。もっと大きな動きが必要です。 

独占禁止法の解釈拡大や、ビットキャッシュなどが考えられるとのこと。
不透明なところに手を付けるのが、難しい状況にあるようです。


このマンガがすごい!今年の1位は「君と宇宙を歩くために」「環と周」に決定

年末の風物詩、このマン発表です。

記事の中身はその通りですねー。何年か関わった身からすると、異変というよりも、今のこのマンの特徴だなーとは思います。記事タイトルは編集部がつくったんでしょうね。信長さんは、さすが熟知されてると思います。

今年もらったゲラ

もうずっとこんな感じで、異世界転生・ファンタジー寄りの投票を数年続けています。最早こうなると、狙っているというよりも素なんだと思います。あとは、食か格闘が好きです。はい。


国内News

ぶんか社から新たな電子書籍誌「comicルクス」創刊。


取次大手のトーハンもオリジナルコミック。やはり紙も視野。連携先は「テラーノベル」


こちらは、主婦と生活社の既存サイト、「PASH UP!」の中で行っていた、話読みやレンタルの機能を、新サイトである「コミックPASH! neo」に移行するというもののようです。


Link-Uは中国企業からIPを国内独占配信。


無限にありそうで限られたユーザー接点しか持ちえない「マンガアプリ」の中に、男性向けと女性向け作品を同時に推し、かつUIで両属性向けのアプリであることを成立させることは、頑張り続けないといけないチャレンジだなとは思います。


文化庁で漫画家支援


フジTVのオリジナルIP第1段とのこと。


取組としても珍しいですし、面白いですね。うちの近所にヒンメルの像を置いてみたいところがありますw


アニメ産業の2023年市場は3兆3465億円。


これはだいぶいけてないなーと思うのですが、使い手にとって魅力のあるサービスを、古いサービスのために制約するというのは、退行でしかありませんね。誰のためにもなりません。


Webtoon・ショート動画関連

幻冬舎から新Webtoonレーベルです。


Webtoonを単行本販売する際に、横読みに直さずに、デジタルでは縦のまま繋いじゃおうというものですね。確かに。発想の転換です。購入してみたのですが、縦にずっと続く作品をスクロールし続けるという新体験でした。なんというか、信号のない道をずっと走っているような。なんでしょうか。


LINEマンガの年間ランキング発表です。『入学傭兵』強いですね。国産勢ではNo9作品が『神血』につづき、『俺だけ最強超越者』も入ってますね。


ナタリーの縦読みマンガアワードはノミネートが始まりました。SORAJIMAからは7作品ノミネートとのこと。


KADOKAWAのタテスクコミック大賞は授賞式のレポートが出ています。


CLLENNの電子コミック原作ショートドラマ、BUMPへ展開です。

この辺り、一般ニュースにも出て来るようになりました。


海外News

韓国Webtoonが不調な中、モデルの原点回帰などが起こっているようです。中編の日本で課金されるWebtoonのジャンルが狭いというのも興味深いですが、後編のアリス・オズマン『ハートストッパー』が、課金は外部サイトのパトレオンだったというのがまた大変ですね。

事業ですから浮き沈みあるものだと思いますが、Webtoonは全体に正念場ですね。

とはいえ、韓国では自治体の運営するクリエイター拠点が満室になったりしているみたいです。


こちらは韓国における「日本マンガ」の人気で、原画展など周年記念イベントが回っているというお話です。そうした意味では韓国は近いですしね、物理展開はしやすいやもですね。


中国でもですね。アニメイトは四川省に新店舗


リブレ原作の『抱かれたい男1位に脅されています。』が、タイで実写ドラマ化とのこと。なかなか実現しない座組だと思いますが、アニメイトの海外展開の一環でBLを海外向けに展開することに力を入れ始めている同社としても、良い形ではないでしょうか。アニメイトはタイにも出店していますし、リブレの作品を沢山翻訳しているアニメイトインターナショナルの展開かなぁと。


トリガーがアニメ化するなどグローバルIPの一角と言えるゲーム『サイバーパンク』のコミカライズがKADOKAWAから7か国語展開とのこと。
米国版は系列のYenPressではなく、一先ずデジタル配信展開始動で、英語版の単行本はDarkhose社から出るとのこと。


libroさんの北米ニュースまとめです。今週は紹介記事が多いので引用はしません。どちらも興味深い記事多いです。


日本でも希少なブラジル通の方が書いているnoteです。来年、ブラジルかメキシコか、どっちかに行きたいんですよね。


先週、マンガバルセロナというイベントに、IMARTを運営するMANGA総研の人間として参加してきました。

30周年の今年は16.7万人くらい参加とのことで、ヨーロッパではJapanExpoに継ぐ大きさのものです。

今年は30周年ということで、浦沢直樹先生を招待して、キーピクチャーも浦沢先生作で気合が入っておりました。浦沢先生は、講演にライブドローイングにライブにと、大活躍でした。

他の国のイベントに比べると、非常に出版社優位と申しますか、マンガ寄りのイベントでした。

実際、アニメやゲームの出展は限られているのに対して、スペイン語の漫画の展示が10社以上、街の書店もマンガが沢山ありました。

こうした展開も。

また、8月に名古屋で開催される世界コスプレサミットのスペイン予選にも立ち会えました。見ると凄いもんだなと思います。優勝したDio君最高でした。衣装ものけ反りも。


AI・画像生成関連

掲載がMIT Technology Reviewということで、格調高い感じの記事です。
オレンジの場合、AI翻訳というのはまずAIが動く工程があり、その後に人間の目によるチェックが入るということは、個々も含めて言い続けてます。


こういう使い方は良いですね。


チャレンジですね。最終的に作品が問われることにはなりそうですが。


そう、確かに今年も進化が早かったですね。一昨年からでAIだけは10年位の密度で変化したり議論が起きてたりする気がします。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

年末ですので、セールやランキング発表など大変な数です。

とにかく、アプリの事よりなにより作品が全て、っていう姿勢のPVで良いですね。結局ファンもこれが一番嬉しいですもんね。


年末のランキング


記事のみ紹介


告知関連

毎年年末のことですが、今年もやります。

筆者単著「漫画ビジネス」クロスメディアパブリッシングより発売中です!

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菊池健
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