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【マンガ業界Newsまとめ】年末はWebtoon展開や各社独自IP展開など目白押し/ウェブトゥーン制作の最前線第2弾公開 など|12/25-83

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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年末最後の今週は、Webtoon施策や各社新規IP創出に関する動き出しが沢山ありました。年末に向けて新作リリースなどが増えたタイミングとなったようです。

今週のWebtoon新規参入・新たな動き

Webtoonスタジオの中でも、booklistaSTUDIOwebという自力配信の形を今年の8月からスタートさせている同社ですが、今回は『とある溺愛のカタチ〜掌編小説アンソロジー〜』という作品を通じて、アンソロジー作品の配信を開始しています。

また本企画は、20話以上の執筆など中長期の連載が前提のwebtoonにおいて、従来のマンガの読切作品のように、1話完結、または短編でもwebtoonの執筆にチャレンジできる機会を、クリエイターおよびクリエイターを目指す方々に提供することも目的としています。

プレスリリースより https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000425.000006388.html

とあり、スタート時に3‐40話を作ることが求められ、新人作家がなかなか参入しにくいWebtoonですが、アンソロジーを作ることで「読切」に近い掲載スタイルで、様々な作家にチャンスを提供することを企図しているとのこと。

Webtoonの日本カスタマイズが、少しずつ進んでいる施策ですね。作家さんにも良いお話だと思います。


老舗白泉社の青年誌「ヤングアニマル」が初のWebtoon作品『タワマン・リベンジ~最下層からのヤり上がり~』をリリース、初出しはNTTソルマーレということで12/24より配信開始とのこと。

内容的にもいわゆる異世界系ではなく、大手Webtoon系アプリでもない国内PFに、国内向けらしいタイトルを出してきているあたり、ユニークな動きになっています。


XOY時代より韓国向け展開に積極的だった東村作品ですが、Webtoon前作の『偽装不倫』では、日本で映像化されたものが韓国へ展開した形だったものが、今回はまず韓国で映像化されるという流れですね。

今年は『重版出来』の韓国版「今日のウェブトゥーン」が配信中ですが、日本原作、韓国映像化という流れも今後増えて行きそうですね。


フーモア、コピンコミュニケーションズにSANKYOと、業界ではP資金と言われる座組での作品制作形態が、新しく始まっておりますね。掲載はLINEマンガとなるようです。

原作者のHenry Gilroy氏は、「スター・ウォーズ:クローンウォーズ」を手掛けるなど、米国で実績のある脚本家さんとのことで、米国進出にも強いLINEマンガ-NAVERへの作品提供という所を見ると、狙いが広そうな取組です。


編プロとして実績のあるファンギルド社は、かねてからJAMTOONブランドによるWebtoon進出をリリースしていましたが、初作品をLINEマンガ/ebookjapanに提供開始とのことです。

作品は『契約恋人は、前世で私を裏切った男です』(原作:羽央えり/作画:まつしまよる)、『悪女に奪われたヒロインの座、取り戻します!』(著:YuNa)の2作ということで、どちらも同社がこれまで編プロとして制作してきたテイストに近いもののWebtoon展開となっており、手堅く展開してきていることがうかがえます。


著名映像監督とコラボし、クラウドファンディングを行うなど、独特なWebtoonへの展開を行っていたgumiの国光宏尚さん率いる「FiNANCiE」(フィナンシェ)ですが、NFTやWebtoonなど公開を開始しました。

Wetboonについては、ファンコミュニティ内のDiscordチャンネルでの公開とのことで、ここでも独特な動きとなっております。


12/14前編を公開したコミチ内の連載記事「ウェブトゥーン制作の最前線 - 飯田一史」ですが、12/23に第2弾中編を公開しました。

トップのbooklistaSTUDIO事例でも謡っていますが、日本でWebtoonが萌芽していくにあたって、韓国と同じスタジオ制作を最初から行っていくことは、発展に向けては少々無理があるのではというアンチテーゼ的内容になっております。


同じ飯田一史さんによる、日本のウェブ小説に関する考察記事です。飯田さんはWebtoonにも詳しいですが、ラノベ・Web小説に関しても著述、著書の積み重ねなど抜きんでておられます。

「文庫ラノベ」と「ウェブ小説」という似て非なるものが、恐らく出版社などの売上区分としては同じようなところで、粛々と世代交代というか、様相を変化させていっているのだろうなと思います。これが、Webtoonの原作にどうつながっていくかですねぇ。


海外News

日本のLINEマンガでも評価の高い『外見至上主義』ですが、NetFlixで映像化され、人気を保っているようです。

記事によると「ネットフリックスジャパン側がまず提案、、」とあり、これK-Webtoonの日本でのアニメ化ってことになるんですかね。


Minto社のタイ・ベトナム支社の責任者の奥川氏による東南アジアのコンテンツ市場レポートです。

Minto社はもともと、キャラビズのグローバル展開をしてきたクオン社と、Web広告とマンガを高付加価値に掛け合わせるwwwaap社が合併して設立された企業で、このまとめでは主にwwwaap社の流れから来るWebtoonの文脈で紹介してきましたが、ここではクオン社のアジア展開からの文脈でのお話がメインです。

ここでは、東南アジアのコンテンツイベントにおける日中韓の状況など、興味深いことが書かれています。


国内News

ピッコマによるTwitterスペース企画「声優たちのヒミツ漫画会議」が12/20に最終回を迎えたというリリースです。声優の小野智樹さん他、著名な声優さん達が出ており、1/20までYoutubeに音声アーカイブが残るようです。

Twitterスペースによるプロモーションとなると、Webtoonスタジオや漫画編集部、漫画家によるものなど公式非公式に沢山のマンガに関する取組がありましたが、この同社によるヒミツ漫画会議企画では、有名声優さんたちTwitterアカウントによるスペースが開かれ、毎回桁の違う大量のファンが集まり、そこで作品紹介がされていました。

当然、声優さんたちを公式に起用するとなれば、ある程度費用が掛かっていると思うのですが、莫大な予算をWeb広告に投入する同社のプロモーションと比べれば、恐らくリーズナブルに新しいファンを開拓出来ていたのではないかなと思います。CVRをどう見るか?など、興味深いところがあるのですが、この企画が続いていくとすれば、それなりに効果が出たのだと思います。


旭プロダクション、ツインエンジン、日本アニメーションなど、アニメ製作・制作会社によるマンガを通した原作創出の取組発表が続いていますが、今度はトムス・エンタテインメント社によるIP原作創出レーベル・TMSLab(トムスラボ)が、本日12月22日に本始動したとのこと。

もともとTwitterなどで動かしていた作品を、このタイミングで公式サイトに集約したようです。


非アダルトのマンガアプリ「DLsite comipo」をリリースし、今秋には集英社作品の取り扱い開始、60%オフクーポン配布などの施策を行っていたviviON社ですが、このタイミングでは小学館9300作品、4.6万冊をラインナップしたというリリースです。

こうして、大手出版社作品の取り扱いのたびに大きくセールを行い新規ユーザー開拓を行う流れは、都度大きなユーザー獲得がありそうで、B2Bの作品調達的にもネタになりますし、上手な施策だなと思いました。


電子書店の老舗ebookjapanによるマンガ大賞2023のファン投票施策です。

投票者特典がPaPayポイントで支払われるとのことで、先日発表されたLINEマンガ インディーズの報奨金プログラムがLINE payで支払われていたのを見ると、ご時世だなぁと思いました。両社は現在同じグループに合併していますが、payについては母体の名残がありますね。


メディアドゥ社がてがけるNFTマーケットプレイス「FanTop」内にて、同グループの日本文芸社作品『リバーシブルマン』の、公式二次創作権をNFTで販売するというものです。

二次創作について、公式化した場合は支払いについての煩雑さや管理などが難しいため、昔から話題にはなりながらも実現にはなかなか至らなかった背景がありますが、この形は新しいですね。とはいえ、全てがこれに置き換わるということも考えにくいなとは思いますが、新しい取組として面白いと思いました。

個人的には監修どうするのかなと気になりました。また、FanTopの中には、NFTの2次取引の仕組みのようなものも実装されており、個人的には別の作品で知人と譲渡の仕組みを触ってみたりもしました。


昨年から今年にかけて、リアル店舗の撤退が相次いだ代わりに、新規事業であるFantiaやECが補って余りある売上を稼いだとらのあなですが、そのFantiaのユーザー登録が900万人突破とのこと。

SkebやPixivFANBOXと並び、D2C(クリエイターが直接ファンに作品を提供、売上を上げる)仕組みの中心選手の一つと言えるプラットフォームですが、依然好調を維持しているようです。


今週、業界ではもっとも話題になった記事であったのではないかと思うのですが、講談社ヤンマガなどで20年編集者として勤めたムラマツ氏が、同社を退職し、サイバーエージェントグループのWebtoonスタジオCyberZ社の「Studio ZOON」に転職し、Webtoonに挑戦するというnoteです。

近年、出版社から新興企業に転職する編集者は多く、転職そのものはよく聞くお話しではあるのですが、転籍先を明らかにしたうえで、ここまで綺麗に移られる事例は珍しいです。

また、ムラマツ氏自身の記事についてのツイートも同様にバズっているのですが、ここにリプや引用をする漫画家さんや関係者の数や知名度がえらいことになっておりまして、この転職が大変なインパクトであることがうかがいしれます。

およそ10年前、同じ元講談社の佐渡島氏が独立した際も大きな話題にはなりましたが、その際の反応と現在の反応は大きく変わっているところがありまして、そういう意味でもインパクトのある出来事でありました。


AIイラスト・画像生成関連

何と申しますか、このAI画像生成関連のニュースを追いかけ始めてから、もっとも衝撃を受けたというか、「いらすとや」のしぶとさと「その手があるのか!」という、膝を打った感じがあったのですが、これで、いらすとやは永遠に不滅となったのではないかと感心することしきりです。

試しに「マンガ業界Newsまとめ」というのを、AIピカソでいらすとや風にしてもらったのですが、なんでしょうね、面白いです。

最早いらすとやは永遠に不滅ですねと


記事の趣旨は表題の通りなのですが、最早メジャー感すら漂う画像生成AI「Midjourney」の使用について、その用途の明記が不十分であったことから、アメリカ合衆国著作権局がこの作品の著作権を取り消す手続きを改めて進めたという経緯のようで、その運用には改めて検討が必要とされているなと。


記事のみ紹介


告知関連

豊島区制90周年記念事業「これも学習マンガだ!展〜私たちをとりまくセカイとミライ〜」第2期特集作品は『宇宙兄弟』!

場所:「トキワ荘通り昭和レトロ館(豊島区立昭和歴史文化記念館)」
期間:令和5年2月5日まで

第22期 文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会(第8回)

日時:令和4年12月26日(月)10:00~12:00
場所:オンライン開催

ラーメンよりうどん? 「あまり知られていない」地元を描くマンガ


マンガ業界News語り、年末スペシャルを12/29配信

日時:2022/12/29 13:00-
登壇:筋肉&ぽっちゃり
生配信:上記のツイート内のTwitterスペースにて
アーカイブ:多分あとでVoicyに移します。


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私の所属するコミチでは、エンジニア、Webディレクターなど採用活動を強化していまして、先日以下のTwitterが話題になりました。

来年は、Web雑誌「コミチ+」が春から複数導入される予定でして、これから伸び盛りになる段階です。よろしければ一緒に働いてください!

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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

コミチに関するお問い合わせは、こちらまで。

著者個人へのお問い合わせなど、以下まで。


毎週日曜のまとめ記事は、2022年はこれで最後となります。本まとめ読者の皆様におかれましては、今年1年間のご愛読誠にありがとうございました。

皆様におかれましては、激動のマンガ業界の中、今年も1年間走り切られ、誠にお疲れ様でございます。

来年もまた、皆様のご活躍に本まとめが少しでもお役に立てればと祈念しております。
良いお年をお迎えください。


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菊池健
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