ヨーロッパ放浪記02
スマホのない25年ほど前、4か月かけてヨーロッパを一人旅で放浪しました。これはその時の記録。
the 2nd day ストラトフォード アポン エイヴォン
朝。このユースホステルの部屋からコッツウォルズの丘が少し見える。朝もやの部屋の窓から風景はとっても幻想的。朝の食事はユースホステルにしては豪華なものでした。さすがフレックファーストの国だけある。
昨日はイギリスにきて1日目、早く寝たので早く目が覚めた。まずは街を散策。
ここはシェイクスピアの生まれた地ということでツーリストがたくさんいらっしゃり、観光地化された俗っぽい印象を受ける。でも日本人の私にとってはすべてが物珍しく移る。町並みも日本と違い、お店の入り口は普通のドア、自動ドアが存在しない。花を家の前に飾っていたり、そして街全体が静か。BGMがまったくない世界は落ち着きがあり、そんな雰囲気がすごくよい。
街をひととおりぶらっとした後、シェイクスピアの生家にはいりました。この街の見所ナンバーワン、というのでチケットを買うのに並んでいると、日本人ご夫婦と遭遇。なんでも、旦那さんの仕事でこちらに住んでいるのだとか。特に自己紹介するわけではなく、通りすがりにお話しする、といったたぐいの会話だけど。一人旅だと、「話す」ことが少ないので、こういう会話でさえ心に残る。
この生家はお庭がとてもきれい。邸宅自体はなんども修復されているようで、はたして当時のものをどれだけ再現しているかは疑わしい。でも、ここらあたりでシェイクスピアが幼年時代を過ごしたというのは確かなよう。そんな風に思いを巡らしながら、お庭で写真をたくさん撮りました。
その後は町歩き。そんなに広くないので、あっという間に一周できてしまう。でも、とにかくめずらしくて、あてもなく、ぐるぐるした。街の中央にエイボン川が流れていて、その川に小さなヨットをおしゃれにした小舟が何隻かうかんでおり、観光用に客引きしていた模様。残念ながら、その英語がさっぱりわからなかった。一人で川に沿ってぶらぶらと散歩。
ひととおり満喫したあと、列車に乗って次の目的地に向かおうと駅へ移動する。ところが、駅についてみると、次の列車まであと2時間ということが判明。なんせ、駅まで行かないと時刻表がわからない。無計画に動く旅は、非効率だ。だけど、これも旅だ、のんびりしよう。なんてったって、旅は始まったばかり。
ところで、イギリスの場合、鉄道の駅には誰でも入れる。ズバリ改札しかない。列車の中で切符をチェックするしくみ。こちらの方が合理的かなと思うが、やはり自動改札になれている日本人としては結構とまどう。ベンチに腰掛け、ホームで遊ぶ子供達をながめる。友人へ絵はがきを書いたり、居合わせたドイツ人の旅人とつたない英語で会話したり、そんな風にのんびりすごす。ふと顔にたくさんピアスをつけている女の子が目につき、ウォッチング。ファッション雑誌を眺めながら、時おり携帯電話でしゃべっている。この携帯がものすごく大きい。バックにいれると、それだけでかさばってしまうような代物。日本のコンパクトな携帯みたらびっくりするだろうな、なんて色々考える。
ちなみにここの駅員は最高に態度が悪かった。電車の時刻を聞いただけなのに、なぜか怒りながら答えてくる。私の英語がへただから、かな。旅は始まったばかりだけど、サービスのよい日本社会が恋しくなる。後で知った話だけど、イギリスは列車発祥国でありながら、今では列車後進国だとか。運賃は高いし、遅れるし。
2時間経過後、ようやく列車がやって来て乗り込む。目指すウィンダミアには6時ごろに到着予定。途中バーミングハムからオクセンホルムまでは満員で座れなくてがっくり。しかし、疲れていたので気合いで空いている席を見つけて、なんとか座る。
お隣の席は、気さくなイギリス紳士でした。音楽の先生らしく、ちょっとインテリっぽい。私のつたない英語を笑顔でよく聞いてくれた。ほんの少しだけど英語が話せる、勉強しといてよかったと実感。と同時に、もっとできたらなあって毎回思う。
本日のお宿は、ウィンダミアのユースホステル。夕方無事に到着できた。今日も、なんやかんやと動いたので疲れた。お部屋でごろごろ。夏のヨーロッパは日が長い。8時すぎでも外は明るい。
せっかくなので近場をちょっと散歩。近場のスーパーで明日のおやつと本日の夜ご飯を購入、もちろん旅に水はかかせないので、ここでゲット。こちらのユースホステルは家族部屋もあるらしく、ファミリーがお庭で野球をしている。なんかいいなって思った。