立方体の思い出「人生ゲームのようなやつ」#毎週ショートショートnote
古本の雑誌の綴じ込みでついていた人生ゲームのようなやつ。
雑誌から切り離したけどサイコロが家になかった。
コマは牛乳瓶のふたで代用できた。
友達は「サイコロ持ってこようか」と言った。
僕はなんだか悔しくて「ウチにもあるよ」と言ってしまった。
「じゃ、早く持って来いよ」と友達は言う。
泣きだしそうなのをこらえてた。
母はその話を聞いていたのか
「ちょっと待ってね。サイコロ持ってくるから」
なにやら紙の箱をはさみで切ってゴソゴソ。
しばらくして目の前に、紙でできたちょっと変な形の、かなり大きめのサイコロが出てきた。
友達は子供心にも本心は言ってはいけないという感じの間をあけたあと
「あー、これでできるよ。やろうよ。」
「いや、ゲームやめよ。外で遊ぼう。」
僕は言ってしまった。
母の顔を見れなかった。
悲しそうだったのか、作り笑いをしていたのか、すまなさそうにしてたのか。
次の年のお正月にサイコロのついたゲームをもらった。
ごめんねおかあちゃん。
完 408文字
たらはかにさんの毎週ショートショートの企画、今週のお題
「立方体」「の思い出」に参加させていただきました。
フィクションであり、ノンフィクションでもあり・・
とにかく、詫びの多い私でございます・・・m(__)m
読んでいただいた皆様、本当にありがとうございます。
スキもコメントもとても嬉しく励みになります。
先輩諸氏、先生方の作品のおかげで刺激だらけ!毎日脳が踊っております!殴られたみたいに!
バコッ!ドスッ!ガ~ン!きらきら~と感動の涙することも・・
毎回言いますが、調子にのってつまらないコメントを皆様の作品に残すことが多々あるかと存じますが、このようにパンチドランカー状態でございますのでご容赦くださいませ。
『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』
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