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世界はここにある

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初めての長編小説に挑戦中です。 週1~2回UPしています。 ある日謎の子供の集団に遭遇した高山英人。そこから彼は世界の裏側を知ることになり、そして自分自身が密接に関わっていること…
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#私の作品紹介

世界はここにある①

 仕事の帰りにいつも通り抜ける公園がある。 広めの敷地に大きな桜が数本あり芝や花壇の手入…

世界はここにある③

「お兄さんはこの街の人でしょ?」 彼女は僕のことを何もかも知っているかのような口ぶりで聞…

世界はここにある⑦

「ペア?何のこと?初めから、一から説明して」  僕が詰める。 三佳は一度頭を垂れ、数回首…

世界はここにある⑧  三佳篇

 どうしても裏付けが必要だった。芸能人のゴシップではない。これが表にさらせたとして誰が敵…

世界はここにある➈  三佳篇㈡

 2年前 欧州、ヒステンブルグ  立花三佳はヒステンブルグの3月の風の冷たさにスプリング…

世界はここにある⑩  三佳篇㈢

 スランデント森林公園は街から車で30分ほどの距離だ。ガイド誌によると世界自然遺産にも登録…

世界はここにある⑪  三佳篇㈣

   ウォルフ・ヘンドリッヒに案内され、三佳とサツキはスランデント森林公園の中を歩いていた。ヨーロッパ・ブナとオークが原生のままに並ぶその光景を初めて見る三佳は、昨日まで未来の事ばかりを話題にしてきたシンポジウムでの期待も、樹々の静かで崇高にも感じるその存在の前には大した進歩ではないような気がしていた。それらの木は三佳とサツキが二人で腕を回しても手が届かないであろう太さと、20m以上はあろうかと思われるまっすぐ伸びる幹にはそれに沿った細めの枝が空を受ける網のように伸び、真新

世界はここにある⑬  三佳篇㈥

「ロイ王子はサラ妃と一緒にインタビュー冒頭にお会いになられます」 ポールの悠々たる態度か…

世界はここにある⑭  三佳篇㈦

 滞在するホテルの前に車は止められ、二人は仮睡の間の悪夢から逃れるように車外へ出た。車は…

世界はここにある52  第三部

  瞼をあけ、僕は明るすぎる照明に目を慣らすのに随分と苦労した。見覚えのある部屋の一室。…