もしも永遠の命がもらえるとしたら、もらっちゃう?
最近読んだ本やマンガの中で、永遠の命を得るかどうか、選択を迫られる場合がありました。なんか興味深かった。
火乃宮祈理の場合
峰守ひろかず著「お世話になっております。陰陽課です3」では、主人公の火乃宮祈理が、謎の老紳士に尋ねられました。
老紳士は正体不明ながら、祈理に夢互の霊符をくれたり、春明のことを気に掛けてくれていました。
赤マント事件が解決した後に再び現れた彼は、「陰陽術を学ぶつもりなはいかね」と言い出します。祈理には資質があるので、術を極めれば、人の身を超えて異人として長寿を得ることもできるよ、と言うのです。
それは、いま一緒に働いている公認陰陽師で上司の五行春明と同じ時間を生きられるということ。(彼は1200年生きてる)
でも、祈理は断ります。
他人の命を削って生きながらえ続けた妖怪・赤マントを倒した経験を通して、彼女は、定まった命を無理矢理延ばすという行為におぞましさを感じていました。
だから、自分が春明にとっては一時的なパートナーにしかなれないのは寂しくもあるけれど、それでいいんだと考えるようになっていたのです。
コレットの場合
花とゆめで連載中の「コレットは死ぬことにした」(幸村アルト)では、第16号(8月5日号)で、ハデスの弟のゼウスから「神さまにスカウトにきた」と言われました。
コレットは人間で薬師なんだけど、冥府のハデスと愛し合っています。ハデスが病気で伏せってしまって、付いていてあげたいと思いつつ、薬師としての仕事も投げ出せないので、地上と冥府の二重生活を送っていました。
そんなとき、「神になればハデスとずっと一緒にいられる」と言われて、心は大揺れに。
それで、ハデスに会ったとき、打ち明けて相談して、「わたしは人として生きて死ぬことにしました」と決心しました。
(ただ、まだゼウスに断ってはないんだけどね。次号どうするんだろう)
月夜の場合
花とゆめで連載中の「ぬらりひょんの花嫁」(吉田真翔)の主人公・月夜(源氏名、本名はさち)は、半人半妖として蘇りました。
火事で顔にやけど傷をおって天涯孤独なんだけど、お母さんが命に替えて自分を救ってくれたことを忘れずに、花魁界で強くたくましく生きていました。
でも、意地悪な仲間の女郎に蔵に閉じこめられ、火をつけられてしまうのです。そのときは、これは運命だ、と諦めるのですが、なんと、妖怪王の朧が生き返らせてしまいます。でも、妖怪石と使って蘇ったので半分妖怪になってしまったのでした。
永遠の命は自らは望まず、与えられる
死ぬのは怖い。死んだらどこへ行くのか分からないし、死ぬとき苦しそう。だから永遠の命を得るチャンスがあったら、絶対選ぶものだと思っていました。
でも、いざ選べるとなっても、他人の命を削ってまでは生きたくないとか、永遠の命よりも、人として生きて死を受け入れる、というのが、普通の人の考え方なのかな、と思いました。潔い。
永遠の命を得た時点で、人間ではなくなってしまうからなあ。
一方、さちのように、本人の意思に関係なく「勝手に、与えられる」場合なら許容される。
興味深いです。
私だったら・・・どうしようって悩んでいるうちに死んでしまいそうだ。
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