峰守ひろかず作品は楽しく妖怪に親しめる

峰守ひろかずさんは、キャラクター同士の軽妙なセリフのやりとりと妖怪がらみのストーリーに定評があるそうです。ご縁があり、図書館で数冊借りてみました。

『絶対城先輩の妖怪学講座』はイケメン先輩との恋の行方も気になる作品

主人公は東勢大学の新入学生、湯ノ山礼音。彼女は原因不明の不調に悩まされていて、文学部四号館四階、四十四番資料室に居を構える妖怪博士・絶対城阿頼耶先輩を訪ねるのですが、それが縁で、先輩とコンビを組み、数々の怪奇事件に巻き込まれ、解決していく、というような話です。

絶対城先輩は長身で、彫りが深く、そして資料室にこもっているので色白なのです! (イケメンじゃん。)

対する礼音は、本人は胸ぺたんな体型を気にしてるけど、背が高くて多分、ボーイッシュでキュート。おまけに特殊能力がある!

1,2巻を読みましたが、妖怪の知識も豊富で、ドタバタしつつもチームワークで問題を解決するのが、面白かったです。

ただ怪奇現象や事件を解決するだけでなく、絶対城先輩とユーレイ(湯ノ山礼音のこと)のラブコメ要素もあります。

全12巻あるそうです。果たして2人は両思いになるのか、続きが読みたいです。


『新宿もののけ図書館利用案内』は相手役が年下男×猫でかわいさダブルパンチの作品

主人公は気弱な女性司書の末花詞織。失業して夜営業の図書館に採用されたら、そこが実は妖怪が利用する図書館だったーーという話。

彼女を採用したのは、館長代理の牛込山伏町カイル。彼女より年下で20歳くらい、目鼻立ちは整っていて髪長め、そして実は猫(化け猫)なのです。

上司がかわいい年下の男の子っていうのもいい。その上、ときどき、大きなふわふわしっぽを持つきつね色の美猫になったときは、きれいな毛並みをなでて癒されることができるなんてサイコーです。

2巻一緒に借りて、1巻読み終わったところです。続きが楽しみです。


『怪談アイドルはじめます。』は霊能力者4人のアイドルグループの話

主人公は22歳の新倉隆治。念願叶って、アイドルグループ「STAiRs」の一員としてデビューを果たします。4人のメンバーはそれぞれ個性派揃いなんですが、実は4人とも霊感持ち。撮影や合宿、コンサートなど、ホラーな現象が発生するたびに4人で解決しながら、グループとして成長していくという話です。

グループ名「STAiRs(ステアーズ)」には、階段を駆け上るように勢いよくスターの座に上り詰める、というような意味が込められています。でもそれだけじゃなく、「階段」には「怪談」がかかっているところが面白いです。

話は5話ありますが、第3話でつぐみが怪奇現象について語ったっことが興味深かったです。

「怪異や怪談の多くは人の思いから生まれ、意識されることで、変容するんだ。そして、作られた話であろうとなかろうと、ある程度広がって根付いて力を持ち、現実に干渉するようになる……。四谷怪談のお岩さんが祟りを為す話は有名だけど、あれも元をたどれば江戸時代の戯曲だろう?」

面白半分で広めたら、ほんとになっちゃうってことですよね?

自分の意識に責任を持たないと、ですね。これは1巻完結でした。


峰守先生は妖怪の知識が豊か

妖怪といえば、水木しげる先生ですが、峰守先生も詳しいそうで、作中には水木先生とは違った妖怪が出てきます。

例えば、「7人ミサキ」という亡霊、初めて知りました。
7人組の亡霊だそうで、1人殺すと7人のうち1人が成仏できるが、代わりに犠牲者の亡霊が強制的に7人岬に加えられるので、永遠に終わらないとされているそうです。亡霊のチェーンレターみたいで怖いんだけど、ちょっと滑稽かなとも思いました。

作品を通して、たくさんの未知の妖怪を知ることができるのは、面白いと思います。

次は『学芸員・西紋寺唱真の呪術蒐集録』を読もうと思っています

実はツイッターで峰守さんの『学芸員・西紋寺唱真の呪術蒐集録』が紹介されていて、関心を持ったのがきっかけです。ちょうど、学芸員の資格を取ろうか考えていたところだったので。

でも、『学芸員~』は図書館になくて。今回借りた本はみんな読みやすかったので、妖怪は出てこないかもしれませんが、きっと『学芸員~』も面白いに違いありません。今度は買って読んでみようと思います。



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