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行動で起こす
一日中車椅子に座っているNさんは、最近お尻の皮膚の状態が良くありません。
もともと肌が弱くて皮膚炎を起こしやすく、白癬の薬をつけて一時的に回復したものの、またあれはじめてしまいました。
ご本人はずっと起きていたくて少しの時間ベッドで休むよう促してもダメ。
トイレ誘導は拒否しがち、気づくと大失禁していることが多々あり。毎日洗って保湿薬を塗っても一向によくならない。
ナースの同僚に相談すると
「オムツ環境が悪いのではないか、介護士さんのケアへのアプローチが必要だと思う。」
と。
それで、介護さんへトイレ誘導の頻度やタイミング、失禁頻度などを確認し、誘導の協力などを行ってみました。
その後2週間経っても皮膚の具合は改善はなく、手詰まりになりました。
皮膚の悪化に対して、ご本人は無関心。
介護士さんも無関心というかあまり問題とはは思っていない様子。
でもこのままだともっと悪化して、びらんや潰瘍になってしまうと思いました。
そこで介護士のリーダーに相談し、現状を伝えてなるべく尿が肌についている状態を作らないようパッドの当て方を考えてもらい、それを介護士さん達に周知、実践して、よい方法を共有してもらうことになりました。
平行して、ケアマネジャーさんに皮膚科受診ができるよう段取りをしてもらうことに。
皮膚トラブルの原因の多くは不適切なスキンケアと長時間体の同一部位の圧迫。
症状に合わない外用薬の使用も皮膚には良くない。Nさんの皮膚炎はおしっこかぶれ(接触性皮膚炎)と真菌感染の両方の可能性がありました。
どれも看護師だけでは対応できないことだし、他部門の方々が協力して動いてくれてよかった。感謝しかない。
介護施設におけるナースの数は40対1
細やかなケアは介護士さんに頼るしかない。
できることが少なくて虚しさを感じることもあるし、誰かに動いてもらうより自分でやってしまったほうが楽だと思う。
まぁ、それでもやりがいを感じたり、嬉しくなる経験もあるからやってるんだけどね。