34日目🇱🇦 6.1 ムアンゴイ、散髪とハンモック

朝、船で川をのぼり
ノーキャイからムアンゴイへ向かう。
船は1日1便、11時のみ。

大雨の中、ワークマンで買った
シャカパーのフードを被り、
お腹にバックを入れて
てるてる坊主みたいな格好をして
小走りでボート乗場の方へ走る。

チケット売場の場所が分からず
道行く人に場所を聞きながら
川辺を降りたり奥に行き過ぎたり
うろうろしていたのを見られていたらしく、
チケット売りのおじさんが、
君たちここをうろうろしていたろう、と
大笑いしてくれた。

ボートの待合レストランで
雨が落ち着くのを待っていると
日本人の2人組が声をかけてくれる。
ラオスにきてほとんど日本人に会っていなく、
とても明るくフレンドリーな2人と話せて
驚きとよろこびがあった。

ぼーっと待っていたが、
もう船に乗り込まなければ行けなそうだったらしく、急いでバイバイをして船に乗り込む。

隣の物資用の船には
水やビアラオがどんどん積まれていく。
小柄でやせたシンを履いた
おばあちゃんが2.30キロはありそうな
米俵を背負ってやってきて、
操縦士や積み込むおじさんたちが
手伝いながら船に積み込んだ。

ここのスタッフさんたちは
みんな明るく笑顔で手を振ってくれたり
何だかとてもいい人たちばかりだった。

意外と積荷の時間があったので
さっきの日本人の方達と連絡先を
交換しておきたかったね、と話していると
ちょうど彼が雨の中ボート乗り場まで
降りてきてくれ、連絡先交換しましょうと
言いに来てくれた。
こういう巡り合わせってあるように思う。
また旅先のどこかであって2人と話せたらな。

前に座っていたフランス人の2人組みと
どこかで一緒だったらしく
彼女たちにもムアンゴイ楽しんでね、
洞窟は道が危険だから靴はサンダルじゃなく
しっかりしたやつね、と
と話していて、本当に明るく
素敵な人だと思った。

土砂降りの中、無事に出るか心配だったが
雨が弱まり出港した。

10人乗りくらいの小舟で
1時間かけてメコン川と山々の間を進む。

雨で霧がかってるが、
それでも手前の黄緑に色付く若葉の茂みと
奥に潜む雄大な岩山が流れていく風景は
異世界の冒険をしているような気持ちにさせる。

ムアンゴイに着くと、
川沿いにはゲストハウスや宿と
レストランが立ち並び
田舎リゾート風に開発されているように感じた。
端から端まで歩いて7分くらいと、
とても小さな村である。

街を歩くとどの家もチキンを飼っていて
道にはたくさんのチキンやあひるや
犬と猫がたくさんいて、とてものどかである。
何かでチキンは場所も必要なく
エサも特殊なものはいらず
自分達でその辺で食べてくれ、
卵を産み鶏肉としても食べられ
費用対効果の大きい家畜だと見たことがある。
おまけに朝は起こしてくれるし
地方で飼うにはぴったりなのかもしれない。

軒先に椅子を出してのんびり座っている
おばあちゃんに、刺繍をしているおばあちゃん、
走り回っているこどもたち。
観光客向けの宿はレストランは並ぶも
地元の人が同じメイン通りにも住み、
一体化しているようにも感じた。

何軒かは家の前で織物をしており
そのまま販売もしていた。
同い年くらいに見える若く笑顔の可愛い
明るいお母さんがやって見せてくれる。

家には赤ちゃん猫が5匹ほどおり、
こどもたちが掴んで見せて
渡そうとしてくれる。
とてもなつっこくて可愛いこども達だ。

お礼を言って1本裏道を散歩すると
さっきの8.9歳くらいの女の子が
追いかけてきて話しかけてくれる。
おそらくどこから来たの？だと思ったので
ラオスで日本という意味らしい
イープン、というとまた何やら話しかけてくれる。Google翻訳を使うと
日本人が好きと言ってくれた。

ゴミ置き場には
ペットボトルやら缶やら
いろんなゴミがあって、
こどもたちがそこでガラクタの山から
缶や棒を拾って遊んでいるのをみて
ケガや色んなことが少し心配になったが、
こどもたちから見たら
いろんな物が集まる
面白い遊び場なのかもしれない。

そのあと弟たちが合流して
キャッキャッしながら
着いてきてくれては少し話すので
一緒にお散歩する？と聞くと
うん！と言ってみんなで歩く。

カバンに折り紙の鶴が入っていたので、
日本のラッキーな鳥だよ、
と言って女の子に渡すと、
弟たちに見てー！もらったよー！と
うれしそうに見せに行く。
そのあとその鶴を使って
鬼ごっこのようなものをしたりしていた。

少し歩くと女の子が
自分達のおやつであろう
魚肉ソーセージをお礼にと
ちぎって分けてくれ、
なんとも言えない気持ちになった。
なんて心が綺麗で優しいこどもたちなのだろう。
そのあと弟達にもちぎって分けてあげていた。

この子たちに何かもっとお礼はできないか
楽しんだりよろこばせてあげれることは
ないか考えたが、あまり出てこない自分たちが
もどかしかった。

飴ちゃんは少しあったが、
砂糖とかをあまり食べなれていなく
歯磨きの習慣がない村のこどもたちに
甘いお菓子をあげるのは
あまりよくないとも聞いたことがあったし、
何より別にものをあげるだけが
相手によろこんでもらえる方法ではないだろう。
一緒に歌を歌ったり、踊ったり、
走り回ったりも出来たかもしれない。

そのあとも少し話しては歩いて
バイバイをした。

歩いているとすぐに村の反対側まで出てしまい、
逆向きにメイン通りを戻ると、
村に唯一の床屋さんを見つける。
他にも織物も並んでいて、
お母さんが織っているという。
ワークショップなんかもやっていた。

妹はなぜか面白いからという理由で
ラオスの秘境で髪を切ることへの
モチベーションが異常に高く、
ノーキョウかどこかで髪を切りたがっていた。
hair cutという文字を見つけて
ここで切りたい、と言い出す。

ノーキョウの道端で切っていた
おじさんの所も中々絵になるのだが、
彼には男の子の髪しか切ったことないから
と断わられてしまったのだ。

ここは女性で少しオシャレな雰囲気もある。
肩の長さからショートボブくらいの
写真を見せて、カットしてもらえるか聞くと
普段はロングからセミロングしか
切らないけど、やってみる、と
OKしてくれた。

ラオスでショートカットの女の子は
見たことがなく、この長さ？と言われて
もっと切っちゃって、と言うと
本当に？と笑いながらもやってみてくれる。

クセ毛の妹の髪に苦戦しながらも
コテで伸ばしながら少しずつ
揃うように真剣な眼差しで切ってくれる。
このお母さんの手仕事はとても丁寧で
織物絶対上手で丁寧な仕事ぶりなんだろうと
容易に想像がつく。そんな職人魂のような
丁寧な手仕事で髪を切ってくれていた。

お母さんは正面から確認しては
短く切ったことはないのよ、
本当に短くていいのか、これで正解なのかと
笑っていたが、わたしたちは
ディー！ディー！(Good! Good!)
この調子で！と
引き続きお願いしては
3人で大笑いしていた。
なかなか体を張っている気もしたが、
愉快で楽しい時間。

一生のうちにラオスの山奥で
髪を切ってきたなんて
エピソードがあるのも面白いだろう。
わたしも髪が伸びてきたら
せっかくなら変な場所で切りたいところだ。

完成したあとも
少し耳にかけると飛び出してしまうところを
微調整してくれたりと、本当に
丁寧に切ってくれた。

やがて完成してお母さんに
初めてのショートカットなのに
とても上手だった！
気に入ったよ！ありがとう！と
たくさんお礼を伝え
ちゃっかりみんなで記念撮影までする。
外はスコールがひどかったので
お母さんぎ止むまでいていいよ、と
言ってくれてのどかな時間が流れた。

少し雨が弱まり、
妹は部屋でシャワーを浴びて
わたしは先によさそうなレストランを見つけようとお店を出る。レストランを探しているうちに
ものすごい土砂降りになってきた。

けれど、閑散期でやっているのかどうか
分からないお店が多かったり
せっかくなら川の見えるレストランか
どこかで見かけた
クッキングクラスもしている
美味しそうなお店か、
床に座布団スタイルの
ほぼ家のような居心地の良さそうな
レストランがいいなと
土砂降りの中走り回る。

床スタイルのレストランが
空いているか分からなかったが
こども達が2人休んでいて聞くと
いいよ、と言って中に招いてくれた。

小学5年生くらいのとっても利発そうで
英語もとっても上手な可愛らしい女の子が
メニューを持ってきてくれ、
元気で優しそうなお兄ちゃんが
電気を付けて音楽をかけてくれる。

ここのバナナの皮蒸し魚と
ココナッツカレーがこれまた絶品だった。
蒸し魚の付け合わせの蒸し野菜に
テーブルの塩を付けて食べると
感動的な美味しさだった。
農薬が高いのもあるらしいが、ラオスは
当たり前に昔からの育て方と
いい土のオーガニック野菜なのである。
ラオスはどこも本当に食材がおいしく
しかも料理上手だ。

夜の雰囲気も見たく少し散歩すると
おじさんにどこから来たの？と話しかけられ、
日本だよ、と答える。
おじさんの1人は韓国出身で
ラオスに住んでいるようだった。

昼間は焼き鳥やさんをしていて
残りを夜ご飯として食べていた家族と
おじさん達と合流して、一杯だけ飲んで
お礼を伝えまた夜の散歩に戻る。

夜は熱中症なのか疲れが溜まっていて
どさっと部屋のベッドに倒れ込む。
妹が何かを確認するために
3分ほど歩いたオーナーさんのところに
行ってきてくれた。

そのあとの夕飯時のムアンゴイの街は
お父さんお母さんが飲みながら集まって
ご飯を食べているのを
横にこどもたちが遊びながら待っていて
のどかな光景だったそう。
わたしもすごく見たかったが、
あまりに疲れていた。

妹はまだ元気で
外のハンモックに横になっていると、
さすがに最高だと、と呼んできてくれる。
元気を降りしぼって
わたしもベランダのハンモックへ移動する。

２つハンモックが並んでおり、
外は暗いがうっすら山の影と川の影が見える。
昼間の暑さはどこにもなく、
静けさと気持ちのいい風が吹くだけだ。

どこからともなく聞こえる
虫の声と雨の音が
奥のメコン川と山に染み入り、
蛍が飛んでいる。
すぐ上ではトタン屋根に落ちる雨の音が
心地よい。

あまりに最高なこの時間に
しっとりとした感動を覚える。

妹が頭皮マッサージまでしてくれて、
トリップしたようだった。

2人並んでぼーっとハンモックで揺れている。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
うとうとと、ひたすらに
心身共に安らかな時間が流れていく。

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